大紀元時報

拾われてきた犬が、自閉症児の心のドアを開いた

2021年6月19日 12時00分
拾われてきた痩せ犬が、自閉症であった8歳の息子の心を開き、かけがえのない「家族」になりました。(写真は本文とは関係ありません)(Pixta)
拾われてきた痩せ犬が、自閉症であった8歳の息子の心を開き、かけがえのない「家族」になりました。(写真は本文とは関係ありません)(Pixta)

あれは、もう8年前のことです。

我が家に新しい「家族」が増えました。イカナという名前の雌です。今日はそのイカナと、私の息子ジョニーとの心温まる物語を、お話させていただきます。

2012年9月15日、米ジョージア州デカルブ郡の動物愛護団体が、道端で死にかけていたを見つけました。痩せて骨と皮ばかりで、まさに瀕死の状態です。それでも、まだ微かに息があるということで、発見者はを獣医さんのところへ連れていきました。
獣医の先生は、このはまだ4カ月くらいの幼だが、生まれてからずっと檻のなかに閉じ込められていたらしいと述べた上で、「その間、ろくな食物は与えられていなかっただろう」と、が受けてきた扱いのひどさを想像したそうです。
それはイカナが我が家に来る前の話ですが、幸いイカナは命を取り留め、回復に向かい始めました。その姿がフェイスブックなどで紹介されると、多くの人々の感動を呼び、イカナの治療と飼育のために、世界各地から寄付金が寄せられるようになりました。
それから人の紹介を経て2013年3月25日、イカナは、ジョージア州のリンダ・ヒッキー(つまり私)の家へ、正式な「養女」として来ることになったのです。

あれほど痩せ細って、一度は死にかけたイカナでしたが、彼女のもつ強い生命力に、私は心が引かれました。我が家には、すでに2頭のがいて、いずれも不幸な環境にあったを私が引き取ったものです。イカナは3頭目ということになりますが、なぜか私は「この子には、閉ざされた重い鉄ドアを開く力がある」という気がしたのです。
当時8歳だった私の息子、ジョニーは自閉症でした。家の中ではほとんど言葉を発せず、母親である私にも、心を開いて話しかけてくれることがない子どもだったのです。

私からジョニーに声をかけて、たまに彼も反応してくれることがありますが、その会話のなかに全く関係のない単語が飛び込んで来ます。まるで、私に話の意味が分からないように、ジョニーがわざとそうしているのではないかと思えたほどです。
それ以前に、私は数千ドルの費用をかけて、ジョニーに各種の理学療法を試してみましたが、残念ながら効果はありませんでした。
実は、同じ年の2月11日に、イカナが我が家に順応できるかどうかテストするために、彼女を一度家に連れてきたのです。この時、ジョニーはイカナに初めて会ったのですが、ジョニーは明らかに、今までにない反応を見せました。それは暗闇の中に、新たな光を見た瞬間でした。
イカナが我が家の一員になってから、ジョニーの生活が一変しました。ジョニーには、多くの自閉症の子どもと同じように「自分の空間」があり、そこへ他人が入ってくるのが好きではなかったのです。口から出る言葉も、限られた語彙のものだけでした。
ところがイカナは、そんなジョニーの閉ざした心のドアを見事に開いたのです。ジョニーは、イカナに心を開き、あふれるほどの言葉を投げかけて話しています。そうしてジョニーは自分に自信がもてるようになり、会話に使える語彙も、どんどん増えていきました。
人が近づくことを嫌っていたジョニーでしたが、イカナはその厚い壁も突き破ってくれました。車の中でイカナは、ジョニーのひざの上に、決まってうつぶせで乗ります。ジョニーは、そんなイカナを嬉しそうに抱きしめたり、キスしたりしています。こんな情緒ゆたかな息子の顔を初めて見て、私の目は涙でいっぱいになりました。

「我が子ジョニーを救うために、神は、イカナを我が家にお送り下さったのですね」。
私は神に心から感謝しました。ジョニーはその後、自閉症を完全に克服し、心身ともに明るく元気な少年として毎日を過ごしています。
そして私は、同じ問題を抱えるご家族のお役に立つことを願って、この物語をSNS上にシェアするとともに、関係機関と共同で募金活動を始め、より多くの放浪を救うことに努めています。

(翻訳編集・鳥飼聡)

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