【古人の知恵】虚栄心を追求したり、溺れたりしてはならない

戚継光が生まれたとき、父の戚景通はすでに50を超えていた。 戚継光は一人息子で、父に愛されていた。戚景通は、自ら息子に読書と武道を教えた。特に人徳と品行に対して非常に厳しかった。

戚継光が13歳の時だった。ある日、彼は出来の良いの靴を履いた。 彼はとても幸せな気分になり、庭を歩き回った。

それを見た父は、彼を書斎に呼び、「良い靴を履いていれば、自然と良い服を着たくなるものだ。良い服を着ていれば、自然と美味しいものを食べたくなるものだ。こんな若い年からよく食べ、着飾っていれば、将来は、さぞ欲深者になるだろう」と怒って叱りつけた。

「大人になったら、贅沢な生活を求めるものだ。 将校であれば、兵士の給料を横取りすることもある。 このままでは家業を継承していくことはできないだろう」

戚景通は、この絹の靴が息子の母方の祖父から贈られたものであることを知った。 しかし、彼は戚継光が贅沢をするような悪い癖がつかないように、すぐに靴を脱ぎ破るように言い聞かせた。
 
ある年のこと、戚景通の家が古くなった部屋を10室以上改装しなければならなくなった時、宮廷の役人を迎えるため部屋も、きちんとした部屋が必要でもあり、戚継光は職人に本堂に彫刻入りの扉を4枚取り付けるよう取り仕切った。

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職人たちは、戚家を高貴な家柄と見ており、彫刻を施した扉が4つだけだと、もの足りないと考えた。彼らは戚継光に「あなた方の長老は将軍でした。このような立派な家なら、当然すべての扉に彫刻があってもおかしくありません。そのような扉は全部で12枚あります。12枚全てに彫刻があってこそ、あなたの家の社会的地位にふさわしいのです」と言う。戚継光は、彼らの言い分ももっともだと考え、父親に相談した。 

息子の話を聞いた戚景通は、彼の贅沢で尊大な考えを真剣に批判した。彼は戚継光に、「虚栄心を追求するとは、そんな甘いことでは、大人になっても大成できないぞ」と諭した。戚継光は父の批判を受け入れ、職人たちに当初の要望である4枚の彫刻入り扉だけを設置するように依頼した。

また、戚景通は、文学や武術を学ぶ目的は、個人の名声や功績、富を追求するためではなく、国や社会、人民の幸福のためであり、そのため、誠実、親孝行心、清廉、正直な品行を持たなければならないと息子に教えた。 

戚継光は、父の指導と規律、そして父の垂範のもと、贅沢な生活を慎み、毎日簡単な食事をし、勉学に励み、その後、明朝の名将、卓越した戦略家として、侵略者と戦ったことで名を残した。

戚継光は、他人のお世辞や賞賛を得るために、自分の外見をひけらかしたり、自らを甘やかしたり、何かに執着したり、富や功績や地位を追求したりすることは、すべて虚栄心の表れであると理解していた。

虚栄心は自己への執着に根ざしており、その人の崇高な志を台無しにしてしまい、偽りの栄光に惑わされ、他人と争って他人を傷つけても、その人自身が最も悲惨なのだ。

(翻訳・李明月)
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古代の知恵物語は、世界中で伝統や道徳的価値観を大切しようと呼びかけます。この「知恵の物語」シリーズの物語やメッセージが、皆さんの心の支えになることを願っています。今回の「虚栄心を追求したり、溺れたりしてはならない」 はラジオチャンネル「希望の声」が放送した物語の一つです。この物語は希望の声の許可を得て掲載しています。著作権は希望の声に帰属します。