「3週間で抑うつ症状が改善」やはり食事内容が重要です

コメント

正常な脳機能は「食事から摂取する栄養に依存している」と言っても過言ではありません。

オメガ3脂肪酸、ビタミンB群、亜鉛は脳の重要な栄養素です。なかでもビタミンB12、葉酸(ビタミンB9)、ビタミンB6は、脳で抗酸化作用をはたらく神経伝達物質の産生に関与しています。

また、オメガ3脂肪酸から生成されるドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)は脳の細胞膜の形成に重要な役割をもつ物質です。

抑うつ症状の原因は、外的なストレスばかりではありません。不適切な食習慣によりこれらの栄養素が不足したときに、うつ病のリスクが高まるのです。

植物性食品のなかの抗酸化物質は、脳内の酸化ストレス反応を防ぎます。そのほか、多くの植物性栄養素は、抗炎症およびその他の非抗酸化作用を有し、脳の健康を増進することができます。

それらとは対照的に、市販のファストフードを多く食べるほど、うつ病になる可能性が高まります。市販の焼き菓子や揚げ菓子(例、マフィン、ドーナツ)などを多く食べると、うつ病のリスクが38%増大すると言われています。

若者の食生活を改善することで、抑うつ症状が改善できるかどうかを調べた研究があります。

研究者が招待した被験者は17歳から35歳までの男女でした。中度から重度の抑うつ症状があり、日常的に高めの糖分と飽和脂肪を摂取している人たちです。

被験者の半数の人には、「全粒穀物、豆類、果物、ナッツ類、ウコン、シナモンを加えた野菜」のなかから1日5品を食べるよう指示しました。また、糖分、その他の精製炭水化物、加工肉、甘い飲み物を減らすよう求めました。赤い肉(獣肉)、卵、無糖乳製品、魚、オリーブオイルは、とくに制限しません。

他の半数のグループは、とくに食事指導しないで、通常の食事を続けるよう指示しました。 こうして3週間後に、再び追跡調査を行いました。

研究者によると、今回の重要な成果は食事内容を変更したグループがフィチンに富んだ野菜や果物の摂取量を増やしていたことを検証できたことです。

この方法は、光で皮膚の「黄度」を測定することにより、体内のカロテノイド量を調べることができます。体内カロテノイド量は、カロテノイドを多く含む野菜や果物の摂取量によって決定されます。

食事指導をしたグループの抑うつスコアは、開始から3週間後に低下していました。

また、皮膚からのカロテノイド測定により、抑うつスコアの改善は果物および野菜の摂取量の増加に比例することが分かりました。ストレスや不安の指標にも改善が見られました。
一方、とくに食事指導しなかったグループのスコアは、ほとんど変化していませんでした。

それから3カ月後、研究者は被験者に電話をかけ、聞きとり調査を実施しました。

それによると、食事指導したグループの約80%が、調査時に採用した「健康的な食生活」の一部を継続していると回答しました。このグループの抑うつスコアは、3週間のフォローアップ終了時のスコアとあまり変わりませんでした。つまり、3カ月後でも抑うつスコアのリバウンドは見られなかったのです。

「野菜や果物を多く食べ、高血糖をまねく精製炭水化物や加工肉を減らす」。この3週間の小さな食事改善によって効果を実感できた参加者は、その後も長く、自身の抑うつ症状をおさえることができていたのです。

(文・Joel Fuhrman/翻訳編集・鳥飼聡)