夏野菜を食べて暑気払い! 身体の内を冷やす漢方の知恵

ジリジリと地面に照りつける太陽。むっとする湿気を含んだ空気。不快指数は最高潮。そんな暑い日には、クーラーのリモコンに手を伸ばし、部屋の温度を冷やしたくなるもの。

しかし、電気代がかさむのも気になるし、身体が冷えて体調を崩したり、肌が乾燥するなど、身体への悪影響も気になるところです。

電気代もかからず、しかも健康的に涼しくなる方法はないものでしょうか?

実はキュウリ、ナス、トマト、ピーマン、オクラ、ゴーヤなど夏野菜と呼ばれる野菜は身体を冷やす働きがあります。

これらの野菜には水分やカリウムが豊富に含まれており、夏野菜を食べることは水分補給にもなります。高い気温で汗をかく事により失われやすいカリウムの補充にもなり、熱中症の予防にも期待が持てるので積極的に食べたいですね。

現在では、夏に開催する飲み会を「暑気払い」と呼ぶことも多いようですが、もともと「暑気払い」と言う言葉は漢方医学から来た言葉です( buritora / PIXTA)

春夏秋冬と四季の特徴がはっきりとあらわれる日本では、気温も上がり夏本番になる頃になると昔から「暑気払い」という言葉を口にしてきました。

古来、日本の宮中では、暑さをしのぐために氷を食べたり、甘酒を飲んだりする習慣があり、こういった貴族の習慣が江戸時代に入って庶民の間にも広がりました。

現在では、夏に開催する飲み会を「暑気払い」と呼ぶことも多いようですが、もともと「暑気払い」と言う言葉は漢方医学から来た言葉で、体を冷やす効果のある飲み物・食べ物、漢方を摂ることによって、暑気を払い、体に溜まった熱気を取り除くというものです。

つまりクーラーや扇風機など、身体を外から冷やすのではなく、内側から冷やすというもの。わかりやすい例としては、夏になるとアイスクリームやかき氷など冷たいものを食べるのも「暑気払い」といえるでしょう。

ただ夏は胃腸機能が弱くなる時期で、お腹が冷えすぎると身体の調子も崩れてしまいがちなので、お腹をあまり冷やさずに暑気を払いたいものです。

ここで手軽に作れる夏野菜のメニューをご紹介します。さっぱりとして食べやすいのでメニューにぜひ加えて頂いて、この暑い夏を乗り越えましょう。

あじとキュウリの酢の物

材料(4人分)

キュウリ(中) 3本
あじ(中)   1尾
青じその葉   6枚
三杯酢 米酢 1/3カップ
砂糖 大さじ1
醤油 小さじ1/3
塩  小さじ1/4

作り方

1、あじは腹を出し、せいごの部分を除いて塩少々を振り、しばらく置いておく。グリルの網に油を引き、両面をこんがり焼く。頭と骨を除き、身をほぐして、酢少々を振る。
2、キュウリは小口切りにして塩少々を振り、しんなりしたら水洗いをして布巾で絞る。
3、青じそは洗って、たて2つに切り、細い千切りにしておく。水にさらして絞る。
4、三杯酢を作る。
5、出す直前に、焼きあじ、キュウリ、しその葉を混ぜて、三杯酢をかけて、小鉢に盛って出す。
 

冬瓜スープ

冬瓜はあっさりした食感で、夏に食べやすい食材の一つ。利尿作用があり、体内に溜まった余分な水分を出すとともに、体内に蓄積されている熱も排出します。冬瓜湯を作る場合、主材料の冬瓜以外に、干しエビ、豚肉、または鶏肉を合わせて作れば、より美味しくできます。調味料は味霸(中華スープの素)適量、胡椒、紹興酒だけです。

材料(4人分)

冬瓜500g、豚のばら肉100g、水1リットル
調味料:味霸(中華スープの素)適量、紹興酒10ml、胡椒3振り

作り方

1.豚肉を3cm角に切る。
2.冬瓜の皮と種の部分を取り除いて、3cm角に切る。
3.土鍋に水、冬瓜、豚肉を入れて沸騰してから弱火で30分煮る。
4.途中であくと余分の油をすくい取る。
5.火を止める前に、調味料を入れて出来上がり。

大道修
社会からライフ記事まで幅広く扱っています。