夏到来 太陽光はがんの原因? 危険な日焼け止めの成分に要注意(2)

天然成分で作られた日焼け止め」が一番安全です

海などのライフガードが日焼けを防ぐために、鼻に亜鉛華を白く塗っているのを見た事がある人もいるかも知れません。それから数十年経った今でも、酸化亜鉛は私たちの日焼け止めのベストチョイスの一つです。

酸化亜鉛や二酸化チタンなどのミネラル成分を含む日焼け止めは、先に挙げた「ケミカルサンスクリーン」よりも安全性が高いというのが、環境・健康分野に関する情報源の一致した意見です。ジョージア州の民間非営利医療機関Piedmontは、天然成分の日焼け止めは太陽の光を散乱させて反射させ、化学成分を含んだ日焼け止めは太陽の光を吸収して熱に変換し、体外に放出すると述べています。

ただし、Beachapediaのサイトでは、ナノサイズの粒子ではなく、ミクロンサイズの酸化亜鉛と二酸化チタンを使用するようにとの注意書きがあります。なぜなら、ミクロンサイズ(0.1~10.0ミクロン、または100~10000ナノメートル)の酸化亜鉛と二酸化チタンは、皮膚にとどまりやすく、海に流れにくいからだと記載されています。また、この小さな粒子は、皮膚を透過したり、体の血液脳関門に入ることができません。

ナノ粒子が皮膚に浸透し、血液脳関門を通過する可能性は、研究者や規制当局にとって継続的な懸念事項です。

しかし、組織によっては、これに対して異なる見解を持っているところもあります。環境保護団体(Environmental Working Group)は、日焼け止めメーカーが製品の質感や効果を高めるためにナノ粒子を使用していることを指摘し、「多くの研究により、酸化亜鉛や二酸化チタンのナノ粒子が大量に肌に浸透する証拠はないことが示されている」と述べています。

とはいえ、純粋に天然の日焼け止め(酸化亜鉛を含む日焼け止めなど)を求める人も注意が必要です。透明な亜鉛を使用していると宣伝している日焼け止めの中には、透明感を出すために化学的な日焼け止めが添加されているものがあります。酸化亜鉛のみを配合した他の製品は、テクスチャー(質感)は「透明」を保証していますが、白いペーストが残ります。しかし、中には良い製品もあるので、ぜひ色々と調べてみてください。
 

日焼け止めはビタミンD不足を引き起こす?

日光にさらされるリスク、化学的な日焼け止めが内分泌を妨害する可能性に加え、日焼けについて考慮すべきことがもう1つあります。それは、日焼け止めを使い続けることでビタミンD不足になる可能性があることです。後者は、不十分な日光浴が原因で起こる病気が考えられます。

ビタミンDは、私たちの肌が太陽光を吸収することで生成される必須ホルモンです。「皮膚がん財団」(The Skin Cancer Foundation)によると、この重要な栄養素は「骨の成長を促進」し、「免疫システムを高める重要な役割」を持ち、そして、「骨粗しょう症などの病気を予防」するとされています。

同財団は、日焼け止めの使用によるビタミンDの損失を補うため、ビタミンDサプリメントの使用を推進しています。

そして、「(ビタミンDが豊富なのに)タラ肝油が嫌いで、食事で必要なビタミンDを摂取する方法を考えるのが面倒だと言う方は、このサプリを食事に混ぜればいいのです」と提案しています。

20代、30代から日光浴を続けている40歳以上の人で、日焼けによるダメージから逃れられる人はほとんどいないでしょう。たとえば、ほくろ、脂漏性角化症、日光角化症、扁平いぼ、そばかす、皮膚いぼなどの皮膚病変が見られ、もちろんシワも含まれます。しっかりと予防策をとらない人は、より深刻な被害を受けます。太陽は我々に必要ですが、室内で過ごすことの多い、特に色白の人々にとっては少しリスクがあります。

著者について:Martha Rosenbergは国際的に有名なジャーナリストであり、その著作は「Mayo Clinic Proceedings」「the Public Library of Science Biology」「National Geographic」に引用されています。FDAを暴露したという報道「ジャンクフードの本質的欠陥」により、彼女は優れた調査ジャーナリストとしての地位を確立しました。全米の大学で教鞭をとり、現在はシカゴに在住しています。

(翻訳・香原咲)