正しい食品を食べてがん予防! 漢方医師が挙げる6種類のがん予防食品

環境毒素や遺伝的要因に日常的にさらされることは、がんにつながる可能性があり、これらの要因を適時取り除くことが重要です。

文/鄧正梁多くの食品は抗がん作用を持つとされており、医学的治療の代わりにはなりませんが、健康的な食生活とライフスタイルを維持する上で重要な役割を果たしています。ここでは、がんの予防効果があると考えられている一般的な食品をまとめ、同時に甘いものががんに及ぼす影響について探ります。

がんを予防する6種類の食品が明らかに

1. 果物と野菜

多くの種類の果物や野菜には、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド、葉酸、食物繊維などの抗酸化物質や栄養素が豊富に含まれています。例えば、緑黄色野菜、ブルーベリー、トマト、人参、ニンニク、タマネギなどです。

ハーバード大学の研究によると、野菜や果物を多く食べる女性ほど乳がんのリスクが低いといいます。特にブロッコリーなどのアブラナ科の野菜や人参などの黄色やオレンジ色の野菜は、その効果がさらに顕著です。

週に4皿以上食べる人は、週に2皿以下しか食べない人に比べて乳がんのリスクが17%も低いという結果がでました。

アブラナ科の野菜には、強力な抗酸化物質であるインドール-3-メタノール(I3C)が含まれています。(horiy / PIXTA)

 

2. ナッツと種実類

アーモンド、クルミ、亜麻仁、ヒマワリの種など、ナッツ類や種実類には健康的な脂肪、タンパク質、繊維、抗酸化物質が含まれています。

『Nutrition Reviews』誌に掲載された研究によると、ナッツ類を多く食べる人は、ナッツ類をあまり食べない人に比べて、大腸がん、子宮内膜がん、膵臓がんの発生率が低いことがわかりました。

ナッツや種実類には、健康的な脂肪、タンパク質、食物繊維、抗酸化物質が含まれています。(shige hattori / PIXTA)

 

3. 繊維の多い食品

食物繊維の多い食品は消化器系の健康を促進し、大腸がんのリスクを下げます。 例えば、全粒穀物、玄米、オーツ麦、豆類などです。

臨床栄養学雑誌、American Journal of Clinical Nutritionによると、食物繊維の摂取が大腸の末端(下行結腸と直腸)のがんリスクを最大38%低下させ、特に穀類と果物に含まれる食物繊維が最も効果があるという研究結果を発表しました。

4.お茶

緑茶にはカテキンなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。

カテキンには抗がん作用があることが研究で明らかになっています。 5万人以上のデータによると、お茶を多く飲む人は、あまり飲まない人に比べ、がんのリスクが17%低いことがわかりました。

5. 魚

サーモン、タラ、イワシなど、オメガ3脂肪酸(Omega-3)を豊富に含む魚は、心臓に良い効果があると考えられており、特定のがん予防に関連している可能性があります。

2012年にBMJ の『Gut』誌に発表された研究で、オメガ3脂肪酸を多く摂ることは、大腸がんやがんになりやすい大腸ポリープの予防に役立つことが示されました。がん患者の場合、オメガ3脂肪酸の摂取は化学療法の効果を高める可能性があります。

6. 唐辛子とスパイス

唐辛子に含まれるカプサイシンには抗がん作用があります。 生姜、ニンニク、シナモンなどにも抗炎症作用や抗酸化作用があると考えられています。

最近、科学者たちは抗ガン剤として、カプサイシン徐放剤(成分が少しずつ長期間放出できるように加工)を開発しています。この研究は『薬理学と治療学』(Pharmacology & Therapeutics)誌に掲載されました。

唐辛子に加え、『Nutrients誌』に掲載された2016年の研究レビュー論文によると、唐辛子、ターメリック、ブラックシード(ニゲラ属の一年草の種子)、ブラックペッパー、サフランなどのスパイスは、さまざまな種類のがん予防や治療ができるといいます。

 

Herbs and spices in metal bowls. Food and cuisine ingr唐辛子に含まれるカプサイシンには抗がん作用があると考えらます。( aprilphoto / PIXTA)

 

甘いものは癌の引き金になるのか?

現在の科学的研究では、甘いものそれ自体が直接がんの原因になるという決定的な証明はありません。しかし、糖分の過剰摂取や糖分の多い食事は、特定のがんリスクの上昇と関連しています。

糖分の多い食事は、体重増加、肥満、2型糖尿病や心血管疾患などの肥満に関連する病気を引き起こす可能性があります。 研究によると、肥満は結腸、直腸、膵臓、食道、腎臓、乳房、子宮内膜のがんを含む多くのがんのリスク増加と関連しています。がんの約4〜8%は肥満が原因であり、肥満はがんによる死亡リスクを17%増加させます。

さらに、糖分の多い食事は、がんの発生や進行に関連する慢性炎症やインスリン抵抗性を誘発する可能性があります。

また、がん細胞はエネルギー源として糖の分解に依存しているため、糖の必要性が高いという研究結果もあります。しかし、だからといって糖分を多く摂ればがんになるというわけではありません。

がんのリスクを減らすには、糖分の多い食品の摂取を減らし、野菜、果物、全粒穀物、タンパク質を十分に摂取することで、バランスの取れた食生活を維持することです。 さらに、適度な運動と健康的な体重を維持することも、がん予防には重要です。

鄧正梁
濟德漢方クリニック院長。