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中国人気紙「急成長を遂げた」鄧小平氏の親族企業を報道「赤い貴族にも反腐敗のメス」

 

太子党と団派の戦い

 安邦が一躍注目の的となったのは大手商業銀行・民生銀行の毛暁峰行長(頭取)が1月31日に当局に連行され調査を受けたことと関係している。昨年11月からわずか2カ月で、安邦は同銀行の株を10回にわたって取得し、現在22.51%の株を保有する筆頭株主に躍り出た。民生銀行の株を大量買収した安邦集団の動きについて、時事評論家の章立凡氏は「資本の奪い合いより、太子党と団派のバトルが勃発した」とみている。

 毛行長は昨年末に失脚した令計画前中央統戦部部長と親密な関係にあり、令氏ら高官の妻に勤務実態のないポストを与え、高額な報酬を払っていたとされる。これまで習主席は太子党からの支持を受けながら、胡錦涛前主席が率いる団派と連携して江沢民派と戦ってきたが、団派の中心メンバーである令計画氏の失脚で、太子党と団派の関係に亀裂が生じたとみられる。中央紀律委員会は1月に行われた第5回全体会議で、今後の反腐敗は「国有企業の幹部」「身内のトラ」の取り締まりに重きを置くと明言し、反腐敗の対象が太子党にも広がった。その後、各派閥の亀裂が表面化し、「虎をやっつけなければ、虎に食べられてしまう」という危機感から、今の中国は「どんな状況も生じうる」乱闘の局面にあると章氏は指摘した。

 安邦集団をめぐる一連の動きについて、経済学者の何清漣氏は米VOAの寄稿記事で「赤い貴族のビジネスに反腐敗のメスを入れる可能性があり、安邦はその試金石となる」と分析した。周永康前最高指導部メンバーの失脚もメディア報道が先行していたことから、習近平指導部は赤い貴族という「硬い骨をかじる」用意ができたとの見方を示した。これまで失脚した幹部はいずれも敵対勢力のメンバーで、反腐敗が実質上の粛清になっているという批判を交わす狙いがあると何氏はみている。

(翻訳編集・江音)