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次期欧州議会議長候補 初の聴覚障害者女性政治家

2016/11/11 06:00

 今年の9月末に欧州議会で世界初の24カ国の同時通訳と31カ国の手話通訳が付いた国際大会が行われました。大会には43カ国から1,000人以上の聴覚障害者、身体障害者が参加しました。これは欧州議会初めての聴覚障害者女性議員、ヘルガ・スティーブンズ(Helga Stevens)氏が発案しました。

欧州議会での世界初の同時通訳と手話通訳の大会(大紀元) 

 次期欧州議会議長の候補者として推薦され、また現欧州議会3番目の規模である欧州保守改革グループの副代表である彼女は、ハンディキャップを克服して欧州議会議員になりました。彼女の道のりは並大抵ではありませんでした。

欧州議会でのヘルガ・スティーブンズ氏(欧州議会。© European Union 2016)

 ベルギーのある小さい町に生まれたスティーブンズ氏は、障害を持たない両親に特別扱いされることなく、普通の子どもと同じように育てられました。彼女は聾啞学校を経て、中学校から普通の学校に通いました。人を助け世界を変えようと考えた彼女は大学で法律の勉強を選び、1993年、ベルギーで初の聴覚障害者弁護士になりました。

 のちに、両親の導きで政治に対して意識し始めました。彼女は「弁護士なら一人の生活を改善することができるが、政治に関わる仕事をすれば、多くの人の生活を改善することができる」という思いで、政治家になることを志しました。2007年、彼女はベルギー議会初の聴覚障害者議員になりました。ベルギー議会は彼女のために手話通訳をつけ、議会の一部規則を変えました。

 しかし、やはりもどかしい思いをすることが多くあります。彼女は、「話したい時にすぐに電話をかけられないことが、いつも悔しく思います」と話しました。聴覚障害者だからと言って、24時間手話通訳に付き添ってもらうわけには行きません。政治に関わる仕事は毎日朝9時から夕方5時で終わるものではなく、夜の会合もあります。それでも彼女は「あきらめない、失敗しても、立ち上がってひたすら努力する」と、前進し続けています。

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