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一帯一路、中国から労働者流入、宗教紛争タネに…パキスタン住民に広がる不安

2018年01月16日 15時50分
一帯一路の開発地となるパキスタン北部。写真は2017年2月撮影、伝統行事のために準備を進める地元住民(GOHAR ABBAS/AFP/Getty Images)

 パキスタン当局は、中国の「一帯一路」構想の中核とされる中国パキスタン経済回廊(CPEC)の推進に積極的な姿勢をみせている。 プロジェクトでは180万人もの「雇用創出」を謳い文句としているが、地元住民は疑いをもっている。中国からの労働者流入や、環境汚染、宗教紛争のタネになりかねないなど、心配事は絶えない。ドイツ公共放送「ドイチェ・ヴェレ」が13日報じた。

 同国北部のギルギット・バルティスタン州(Gilgit-Baltistan)はアフガニスタンやアザド・カシミール、中国の新疆に国境を接し、中国の巨額のインフラ投資「一帯一路」の中パ経済回廊がこのヒマラヤ地域を横断することで、ますます注目を集めている。

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「雇用創出」?

 ギルギット・バルティスタン州は、識字率が最も低い地域のひとつであり、若者層は就職に困難を抱えている。パキスタン当局は同プロジェクトがキルギス・バルチスタン州だけに、最大180万人の雇用を創出する可能性があると発表したが、地元住民は政府の主張を信じていない。

 同州在住の政治学者アミール・フセイン(Amir Hussain)氏によると、中国は豊富な労働力があり、常に自国の労働者を持ち込んでいる。中パ経済回廊だけでは約700万人の中国人労働者がパキスタンに入国でき、うち40万人がギルギット・バルティスタン州で働くことになり、地元住民の雇用はほとんど期待できないという。

土地収用・宗教紛争のたね

 同州は山地であり、肥沃な土壌が不足している。地元住民らは、中パ経済回廊プロジェクトが貴重な耕作地を占拠することを恐れている。

 パキスタン当局は中パ経済回廊の名目で面積2平方キロに上る用地に経済特別エリアを設立した。軍当局は中国側の要求に応じ、関連区域の安全を確保するためにチェックポイントを設置しようとしている。そのため、当局は現在、中国の国境と隣接する地区の住民を移転することを計画しているという。

 同州の住民のほとんどはイスラム教シーア派である。地元住民は、中国人労働者の大規模な流入のみならず、他地域からの人口流入も心配している。一部の住民はイスラム教スンニ派過激派がすでに同州に住み着き始めたと信じ、「ギルギット・バルティスタンが再び宗教衝突の渦に巻き込まれるか」と危惧する声もあがっている。

 当局は経済回廊プロジェクトに関し、ギルギット・バルティスタン州の住民の間で幅広い合意を得たと主張している。しかし、フセイン氏は地元住民には反対が許されず、公的な場で反対の声をあげたら、「国益に危害を与えた」として連行されてしまうと述べた。

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環境破壊への懸念

 住民らは一帯一路プロジェクトが自然環境に致命的な影響を与え、大規模な土地収用を招くことを懸念している。また、人口動態の変化によって地元の特色ある文化を消滅の危機にさらすことも危惧されている。

 同州の市民社会運動家ファルマン・アリ氏(Farman Ali)は取材では、中国政府は環境に配慮しない急進的な開発でよく知られているという。同計画によれば、今後7万台以上の大型トラックがこの地域を通過し、大気汚染に拍車をかけてしまう。当局は山岳地帯に鉄道を敷設するに伴い、多くのトンネルを掘削することによって土砂崩れや地域の生態系破壊が懸念されると指摘した。

(翻訳編集・王君宜)

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