THE EPOCH TIMES

【党文化の解体】第3章(24)

2009年11月04日 10時48分
 【大紀元日本11月4日】

4.教科書を利用し、党文化を注入する
3)国語の授業:欲しいままの欺瞞


 (1)国語教科書の選定

 学生に党文化を注入するという方面において、もし政治的な授業が唱えているものが「白い顔」だとすれば、国語の授業が唱えているのは「赤い顔」である。政治的な授業では猛烈な暴雨のように注ぎ込み、国語の授業では春風夏雨のように注ぎ込む。方法は違うが、目的は同じなのである。

 小中学校の国語の教科書における文章の選択にも仕掛けがある。中共の党首魁による文章、あるいはそれらに関する文章が一定の比率を占め、中共の所謂「英雄人物」(王二小、劉胡蘭、江姉、邱少雲、董存瑞、黄継光、狼牙山五壮士等)は不可欠のものである。

 中共の階級闘争理論を図解するため、国語の教科書では古今内外の被搾取階級を正面から採りあげる必要があり、またよく知られた少数の地主や資本家(周扒皮など)を粉飾誇張してその間にちりばめている。

 西洋国家の教科書については、「資本主義の糟」という特徴を強調する。若い音楽家の揚科、万卡、私の叔父于勒など……あるいは悲惨に死去し、あるいは人知れずひっそりと人生を終える。世界的な名作は選択せざるを得ないが、中共の教条と合致するものを選ばなくてはならない。

 毛が階級闘争の観点で「紅楼夢」を読んだので、中学の教材は「党の出来レース」を選ぶ必要があり、それをもって封建統治階級のわがままで残虐で人命を省みない本質を顕示する。

 中学の国語の教科書に最も多く収録されているのが、毛沢東と魯迅の文章である。毛は、「自由主義に反対する」と言った。魯迅は、五千年の歴史のすべては「喫人(人食い)」の二字に集約されると言った。「落水した犬は打ち殺す」「フェアプレーは少し見合わせよう」。これらの文章の多くの部分は、暗誦するよう義務付けられている。

 (2)教師の教授法

 これらの教科書の意味がいかに単純で明確でも、しかしどのような本も理論上では多種の解読方法があるものだ。それらの可能性を途絶するため、中共の教育部門は、国語教師たちがこれらの字句を解説したうえで、さらに「画龍点晴」で文の「中心思想」を指摘し、学生たちにこれらの党文化の言葉を繰り返すよう強制するものである。

 前述の「若き音楽家・揚科」は、小学校五年生の教科書に出てくるものであり、その中心思想とは「旧社会の搾取制度の罪悪」である。教師は、学生が「貧困層の理想は実現しない、才能があっても埋没して終わる」のだと分かるよう誘導し、「学生の搾取制度への憎しみを激発し、労働人民に同情するよう」仕向ける。

 (3)試験による誘導

 進級試験は、各級教育の指揮棒である。試験の命題の趨勢は、教師と学生にとって大きな誘導の作用がある。換言すれば、教育の重点は試験によって導かれ、試験問題は直接に中共政策の制限を受ける。

 大学入試における作文の命題を例に挙げると、1958年の全国入試の題名は「大躍進中において人心を感動させた一幕」、1977年の北京のそれは「私の戦ったこの一年」、上海のそれは「国を治めることに参加した日々」といったものだった。

 近年の作文における題目では、これらの赤裸々な党文化のタイトルは減ってきてはいるものの、比較的に隠蔽された党文化がこれに取って代わった。例えば「一が分かれて二となる」所謂「弁証法」とそれである。1990年の「薔薇の花には棘がある」は、中国人が再び中共経典の自己弁護文句、「主流は間違っていない」「成績が主要である」「成績が九本の指で、過ちが一本の指である」「太陽と黒子」などを復習するきっかけとなった。

 しかし1991年の「墨に近づくものは黒くなる」と「墨に近づいても必ず黒くなるとは限らない」を見てみると、その隠れた台詞は、改革開放は決して「四つの堅持」に背いているものではなく、1992年の_deng_小平が南を巡回し、経済改革の再起動を予め示したものであった。

 進級試験は、各級教育機関に対して絶対的な誘導の作用がある。中共は試験の命題権を掌握しているので、つまり学生の学習時間の分配と脳力の運用を支配しているのである。中共は強制的に注入すべきものを試験の重点としているので、学生は他の内容の習得より十数倍から数十倍の労力を費やし、これら党文化の内容を覚えなければならない。結局、党文化は刃物で刻まれたように学生の脳裏に入り込むのである。

 (4)最近の趨勢

 かつては、小学生の人生初めての教科書には、「毛主席万歳」「私は北京の天安門を愛する。天安門には太陽が昇る」と書かれていた。

 現在の教科書には「進歩」が多く見られる。小学校一年生の二学期になってようやく教科書(下)に、低調ながら「_deng_小平おじさんが木を植えた」と書かれている。

 杜甫の名句、「遥かなる可愛そうな少女は、いまだ長安を思い起こせず」は、直接に詩人の少女に対する思いを描いているのではなく、かえって少女が父親を思い出せないでおり、切り口が新しく、情味は意味深長であると解釈している。現在の国語の教科書では、多くの内容においてこのような技巧で作られているのである。

 小学生は「四つの偉大」を叫ぶ必要は無いが、「同郷の人たち」とともに情の深さを回想し、「井戸の水を飲むときは、それを掘った人を忘れるな。折に触れて毛主席を偲ぶように」しなければならない。

 以前は自分を「世界革命の中心」であると法螺を吹いていたが、現在ではこのような故事を作り出している。留学生が海外で生活に困窮して、コートをパンに換えようとしたが、パン屋のオーナー(西洋人)は同意しない。しかし、学生の首に五星紅旗が巻かれているのを見ると、「オーナーの目がきらりと光り」、どうしてもパンと紅旗を換えようとするが、留学生は大義慄然として立ち去り、パン屋のオーナーはそこで深く教育を受けるという話である。

 政治に関する授業では、「一つの中国」「武力行使も排除しない」が宣揚され、国語の授業では、台湾では雪が降らないから始まり、最後には教師が特に採りあげるのが、「北京のお友達も君たちが来て一緒に遊ぶのを待ち望んでいる」である。

 これら新しく出版された小学生の教科書では、第二冊目から系統的に「赤いネッカチーフ」「10月1日―わが祖国の誕生日」を注入し、故事を用いて中共の台湾政策、民族政策、外交政策、経済政策等々が講じられ、思想的に単純な児童は知らず知らずのうちに大量の党文化の内容を吸収してしまうのである。

 現在の国語の教科書にはかなり多くの時代の息吹を思わせる作品が加えられているが、必ず注目しなければならないのは、これら国語の教科書が依然として党文化の注入に相当重要な役割をもっているということである。

 その原因は、第一に、党首魁の文章が依然として一定のページ数を占めているからである。

 第二に、多くの優れた文学作品と一緒に掲載されているため、党文化の文章が自然と優秀な文学作品と同等の地位を得てしまい、「経典化」されてしまうのである。学生がこれら党文化を含んだ文章を用いて文法や修辞を学ぶとき、その内容はすでに当然なものとなり必然のものとなり、少しも疑うことなく吸収することになる。

 第三に、目下の試験優先教育の技術至上化傾向は、学生の注意力を大量の無意味なところに引き付け、文章の内容に対しては興味もなければ、探求する能力もないのである。当然、国語の教科はその他の課程と配合するとさらに作用するようになる。

 国語の授業はある一定程度「政治色」を減らしているが、反面、党文化の強大な吸収力と高度の欺瞞性を表わしている。たとえば、「人権が憲法に組み込まれた」、江沢民が提出した「徳をもって国を治める」、胡錦涛が声高に叫んだ「調和した社会」などと同様に、もしかするとある日突然、「儒・佛・道を国粋として堅持する」が党憲章と憲法に組み込まれ、引き続き「偉大、光栄、正確」と「時とともに進歩する」のために注釈を提供するかもしれない。

 中共の教育体制下におけるその他の課程では、地理、音楽、自然科学等々でも、同様に党文化を注入するという使命を負っている。斑点を一つ見れば豹の全体が見えてくるように、ここでは詳述を避ける。

 強調して指摘しなくてはならないことは、党文化の教育において危害が最も大きいのは、注入される具体的な内容ではなく、学生たちに世界を認識し世界を解釈する枠組みを嵌めてしまうことである。

 学生はこの枠組みに容れられてからは、この枠組みで処理できない情報に対しては極端に排斥的な態度をとったり、この枠組みで解釈できない現象については見て見ぬふりをし、聞かず問わず、あるいは中共が注入した歪曲した思考方法でこの手の情報を加工し、最後には中共の統治に有利な結論に達するのである。

 これによって分かることは、なぜ今日の中国人が思想的に豊富で弁も立つのに、別の一方面では極端に偏狭で頑固であり、自分が嫌いな事物に対しては固く拒み、一種「選択性のある無知の状態」に満足しているかということなのである。

 中国には古から、「浮世の諸事はみな程度が低く、ただ学問だけが高い」との伝統があり、社会全体が教育を重要視してきた。大多数の農家の子息について言えば、大学受験は軍隊に入隊すること以外に自己の身分を改変する唯一の道である。

 しかし、中共が一切の国家資源を掌握しているため、子供たちは教育を受けないようにするか、さもなくば党文化の教育を受けざるを得ない。

 数十年来、中共は天下の公器である教育を自家製の商品を売る町工場にしてしまい、中国人は代々党文化の教育による苦い果実を飲み込むよう迫られているのである。

(続く)
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