目の動きから嘘は見透かせない

【大紀元日本11月5日】目の動きからが分かるという人がいる。神経言語プログラミングNLP)では、目の動きから嘘を見破る方法を提唱してきた。しかし、この定説には、実際には根拠がないことが判明した。

NLPでは、人は右上を見ているときに嘘をつく傾向があり、左上を見ているときは、真実を語っていると提唱してきた。しかし、今年、PLoS ONE誌で発表された研究論文は、この説に根拠がないとして否定。論文の著者は、嘘を見破る目的でこの理論を用いることは避けるよう勧めている。

英国ハートフォードシャー大学のリチャード・ワイズマン教授(Richard Wiseman)とエジンバラ大学のキャロライン・ワット博士(Caroline Watt)はまず、嘘と真実を語るボランティアを撮影し、彼らの目の動きを考察。 次の調査では、別のグループの参加者に先の調査の映像を見せ、目の動きをもとに嘘を見破ってもらった 。

「最初の考察から、嘘をつくことと目の動きに関連性は見られませんでした。また次の調査で、 NLPの理論を教えられても参加者の嘘を見破る能力に変化はありませんでした」と、ワイズマン教授は指摘する。

最後の調査は、研究室から離れ、カナダのブリティッシュコロンビア大学のリアナ・テン・ブリンク博士(Leanne ten Brinke)とスティーブン・ポーター教授(Stephen Porter)の協力のもとに行われた。著名な記者会見の映像を分析したもので、行方不明の家族を捜すため、または犯罪被害者だと訴える人の目の動きに焦点をあてた。

「嘘を言っている人と真実を語っている人の振る舞いに大きな違いがあることは、以前の研究でわかっていました。しかし今回の調査で、嘘と目の動きの関連性は確認されませんでした」。リアナ・テン・ブリンク博士はこう指摘している。

 (翻訳編集・緒川)