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依然として危ぶまれる不動産バブルの崩壊

 【大紀元日本2月2日】中国の十大豪邸と呼ばれる北京釣魚台7号院はこのほど、1平米あたり15.7万元(194万円)の価格で取引された。中国政府が不動産価格の抑制策を講じているにもかかわらず、中国各地の不動産価格は上昇を続けている。不動産価格高騰の抑制をはかる政府の干渉は根本的な問題解決になっておらず、所得配分の不均衡やインフレなどを解決しないかぎり、不動産価の上昇が落ち着くことはない、と専門家は見解を示している。

 中国政府は1月26日、住宅ローンで2軒目以降の住宅を購入する場合、頭金が総額の6割以上でなければならないなどの不動産価格上昇の抑制策を発表した。同日、中国国務院の常務会議で、昨年4月から「都市部不動産価格急騰を抑制する通達」を公表し、不動産価格の上昇状況は一定の落ち着きを見せたが、2010年度の金融機関による不動産市場への融資額は2.02兆元の増加をみせている。英BBCの経済アナリストは、中国の経済成長が依然として不動産市場に依存し、大きなリスクが潜んでいると分析している。

 世銀首席エコノミストで中国経済学者の林毅夫氏は、所得配分の不公平や低下し続ける内需などの体制的問題を多く抱える中国の現状は、中国の高度経済成長と不釣り合いであることを指摘する。金融体系が適切に管理・監督されていない場合、深刻な金融問題が引き起こされる可能性があると警告している。

 中国の著名な経済学者・茅於軾氏は米VOAの取材を通して、中国不動産市場にバブルがすでに形成されていることを指摘した。「不動産市場で売買されている物件の一部は空き家。不動産市場は住宅の需要をそのまま反映しておらず、投機部分がかなり大きいことが示される。一旦、外部要因の触発で不動産が手放されることになれば、バブルは弾ける。日本、台湾が、この過程を経験してきた」とコメントした。

  さらに同氏は、不動産市場へ政府が干渉することは根本的な問題解決につながらないと話し、バブルの形成要因である所得分配の不均衡から解決する必要があるとの見方を示しており、「所得の多い人はインフレへの懸念で、銀行預金より不動産市場への投機を望む。所得分配の不均衡とインフレ抑制の問題を解決しない限り、不動産価格の上昇は抑制できない」と分析する。

  一方、北京大学の経済観察研究センターの仲大軍主任は、米VOAの取材に対して「中国不動産市場のバブルは貨幣市場のバブルから生じたもの。大量に発行される貨幣に分配不均衡が加わり、不動産市場のバブルを引き起こした」と述べている。また、所得分配の不均衡が続く限り、均衡のとれた経済発展を遂げることはできないとし、この状態が続くと、より深刻な社会問題を引き起こしかねないと懸念している。

(翻訳編集・張俊徳)


 (11/02/02 17:04)  





■キーワード
不動産  バブル  インフレ  所得配分  林毅夫  


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