研究:地球の核の金がマントルを通じ地表へ

世界で最も多くの金が保存されている場所というと、アメリカの「フォートノックス」を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし実は、地球の核にはそれをはるかに超える莫大な量の金が存在しており、マントルを通じて地表に漏れ出していることが研究で示されました。

ドイツ・ゲッティンゲン大学が昨年5月22日に公表した研究では、地球全体のおよそ99.999%以上の金とその他の貴金属が、厚さ約3,000kmの硬いマントルの下、つまり地球の金属核に閉じ込められていると発表しています。これらは人類の手の届かない場所にあります。

今回、同大学の研究者たちは、アメリカ・ハワイ諸島の火山岩の中に、貴金属であるルテニウムの痕跡を発見しました。通常のルテニウムとは異なり、地球の核から漏れ出したものである可能性が高いと見られています。

このたび発見されたルテニウムには、地球の核に特有とされるルテニウム同位体──ルテニウム100(Ru-100)が多く含まれていました。

約45億年前に地球が形成された際、ルテニウム同位体であるルテニウム100(Ru-100)は、金をはじめとする貴金属とともに地球の核に閉じ込められたと考えられています。そのため、現在マントルに存在している貴金属ルテニウムとは性質が異なります。

Ru-100と通常のルテニウムとの違いは非常にわずかで、これまでその識別は困難でした。しかし今回、新たに開発された分析技術により、地球表面の火山岩からRu-100が検出されました。これは、これらの火山岩が地球の核とマントルの境界付近に由来していることを示しています。

火山熔岩示意圖。(AFP PHOTO/US Geological Survey/HO)
火山岩のイメージ図。(AFP PHOTO/US Geological Survey/HO)

同大学の地球化学者ニルス・メスリング氏は、「最初の結果が出たとき、私たちはまるで金鉱を掘り当てたような興奮を覚えました。私たちのデータは、地球の核にある金をはじめとする貴金属がマントルへ漏れ出している可能性を示しています」と語りました。

同じく地球化学者のマティアス・ウィルボルド氏は、「今回の発見は、地球の核がそれほど孤立した存在ではないことを示しています。私たちは今、数百京トン規模の超高温マントル物質が、核とマントルの境界から湧き上がり、ハワイのような海洋島を形成していることを示す証拠を得ました」と述べました。

この現象は、人類が使用している金や他の貴金属の一部が、地球の核に由来している可能性を示唆しており、これらの貴金属が再生可能エネルギーなど多くの分野で重要な価値を持っていると考えられています。

メスリング氏は、「今回の発見は、地球内部の仕組みや進化を理解するうえで新しい視点をもたらしましたが、同じ現象が過去にも起きていたのかどうかは、今後の研究課題です」と述べました。

この研究は昨年5月21日に、科学誌『Nature』に発表されました。

オーストラリア放送協会(ABC)の以前の報道によると、マッコーリー大学の地質学者バーナード・ウッド氏は、2006年に発表した研究の中で、地球のはるかに深い核には、地球の陸地表面を約 50cm の厚さで覆えるほどの金が埋蔵されていると試算していました。

ウッド氏は、「地球に存在する金の99%以上が、地球の核にあると言える」と述べています。

(翻訳編集 正道勇)

陳俊村