【ことばの豆知識】床屋

【大紀元日本7月8日】今ではあまり耳にしなくなった「床屋(とこや)」ということば、なんと「魚屋」「パーマ屋」と並んで放送禁止用語なんだそうですね。私はこのことばに差別的な意味合いは全く感じないのですが。

ところで、「床(とこ)」と言えば、「床の間」「床を敷く」などといったことばを思い浮かべますが、それと「床屋」はどんな関係があるのでしょうか。

「床屋」の語源は複雑で、どうも「床(とこ/ゆか)」→「床店(とこみせ)」→「髪結床(かみゆいどこ)」→「床屋」という変遷を辿ってきたようです。

本来、古代の住居の土間で、人が寝起きするために板などを張って一段高く構えた部分を「床(とこ/ゆか)」と言いました。京都の四条河原には、古くから鴨川の流れの上に板張りの涼み台を張り出したお茶屋さんや料理屋があり、「涼床(すずみどこ)」とか「川床(かわゆか)」と呼ばれていました。それは正に、本来の「床」の流れを汲むもので、今も「納涼床(のうりょうゆか)」として京の人々に親しまれています。

ところで、江戸時代、橋詰めなどに出された出店や商売をするためだけに構えられた店は、板や竹を組んで簡易な「床」を設けていたことから、「床店」と呼ばれました。そして、その中でも髪を結うための床店を特に「髪結床」と言い、それがそのうち、ただ単に「床屋」と言われるようになったようです。

(智)