【季節のテーブル】花咲か爺さんの冬休み

永久に咲く 花咲かせ問う 芽出度さや

 【大紀元日本12月14日】花咲かせ爺さんと、花咲かせない爺さんのメルヘンは、昔々から伝わるファンタジーの源泉の姿を今に留めています。可愛がっていたシロという犬が、ある日ここ掘れ、ワンワンと吠えます。畑を掘り返すと黄金の小判が出て来ました。良いお爺さんには動物の世界から贈り物が届けられました。となりの意地悪爺さんがシロを借りてきて真似をして掘り返しても、醜いものしか出て来ません。

 腹いせに意地悪爺さんはシロを殺してしまいました。良いお爺さんが弔ったシロのお墓に大木が育ちます。シロは大木(植物)に生まれ変わり、良いお爺さんが大木から作った臼で餅を搗くと宝物が出て来ます。今度は植物の世界からプレゼントが届けられます。となりの意地悪爺さんが真似をしてやると、石ころしか出て来ません。腹を立てた意地悪爺さんは臼を燃やしてしまいます。悪の原理によって燃やされた臼の灰(鉱物)を手にとって良い爺さんが、枯れ木にかけると花が咲きました。鉱物の世界からのプレゼントをこの世に永久の花として贈り届けます。意地悪爺さんが真似をしても花は咲きません。

 それどころかこの世のお殿様の目を傷つけた意地悪爺さんは、動物と植物と鉱物の世界から締め出された牢獄で暮らすことになりました。花咲かせ爺さんは冬になると大地(鉱物)に繁栄する動物や植物の燃え尽きた体(灰)から、春の生命活動を花咲かせるメルヘンを今でも紡いでいます。それはもちろん今も語り継がれる「花咲か爺さん」の永遠の花の物語です。めでたし、めでたし・・・。

(イザヤ・パンダさん)