南極洋深海で700種以上の未知の生物を発見

【大紀元日本6月17日】中央社5月16日の報道によると、南極洋南方海域ウェッデル海の薄暗い深海に多くの生命が生息していることが確認された。科学者たちが3年の歳月をかけて調査した結果、700種を超える未知の生物が発見されたという。

英の科学誌『ネイチャー』によれば、ウェッデル海は地球上の大部分の海洋循環が必要としている深層海水を提供しているが、人類がその深い海の中の事を知るのはなかなか難しい。科学者が3年かけてウェッデル海の水深6千mを超える深海で採集した生物の資料は、人々を驚かせる発見となった。

ハンブルグ動物博物館の海洋生物学者であり、今回の研究発表における代表者・ブラント氏は、「このように数多くの新種を発見できたことは、我々にとって大変な驚きであり、同様にして、生物の種類が少ないとされている北極の海域も探索したい」と語った。

これまでの研究では、南極海域は北極海域と同じく、海洋生物は少ないとされていた。ところが、今回の発見でその定説が覆されたことになる。ブラント氏はその理由として次の二つをあげている。(1)北極は形成されて比較的若いのに対し、南極は形成されて少なくとも2千万年経っており、海洋生物が十分進化し、生態が安定している。(2)南極海域は深層海水の循環に大きな役割を果たしており、大量の海水がここを通過することにより生物たちに養分を供給し、深海に良い生態環境を形成している。

今回発見された種の大部分は甲殻類の一種の等脚類であった。等脚類を含め、今回発見された甲殻類は、肉眼ではほとんど見えないミクロのものから体長30cmほどもある巨大なものまで、さまざまな体型のものが含まれている。現段階で分類の終わった674種のうち8割がこれまで記録のない新種で、他にカタツムリに似た腹足動物や双殻動物が160種類、海綿類が76種類発見された。

中でもブラント氏が特に珍しいと話すのが小型の変型虫で、水深6千mの深海に生存できると同時に比較的浅い海域にも存在が確認さていることから、異なる水圧下で驚くべき適応力を持っていると考えられる。

あなたの知らないバミューダ深海の神秘的な生物。

ビデオ:深海巨大イカ