鶏が先か、卵が先か 長年の議論に決着?

【大紀元日本7月18日】「鶏が先か、卵が先か」という永年の謎がようやく解明されたようだ。イギリスの学者が、卵殻の形成には鶏の卵巣にしか存在しないある種のタンパク質が必要であることを証明した。つまり、鶏が先で卵が後というわけだ。

英紙「デイリー・メール」によると、ovocledidin-17(OC-17)と呼ばれるタンパク質は、卵殻形成を催促する触媒として作用するという。卵殻は卵黄と卵白を保護する役割を果たし、ひなが卵の中で育っていくことを守る働きがある。

イギリス人の学者がスーパーコンピュータを駆使して卵の形成過程を観察したところ、OC-17が卵殻形成の早期段階で結晶化(crystallization)を促進する重要な働きを持っていることを発見した。

このタンパク質が炭酸カルシウムを方解石の結晶に変化させることで、卵殻が形成される。方解石の結晶は多くの骨や卵殻に見られる。しかし、鶏がこれらの結晶を生成する速度は他の種類の動物より速く、24時間で6グラム生成できるという。

英シェフィールド大学の研究者コリン・フリーマン(Colin Freeman)氏は「この種のタンパク質が卵の形成と関連していることは以前から分かっていた。しかし、細かく検証することで、該当のタンパク質が卵の形成過程をいかにコントロールしているかがやっと判明した」と述べた。

同氏は、鳥類によってタンパク質自体は異なるが、皆、同様な作用をすることも指摘している。

同学部のジョン・ハーディング(John Harding)氏は、鶏の卵殻の生成過程の理解は、新素材開発への手がかりとなると述べ、「大自然は、材料科学の問題すべてに用いることができる新しい解決策をすでに発見していた。私たちはその中から多くのことを学ぶことができる」と語っている。

(翻訳編集・李YS)