流行語で読み取る激変の中国(50)

【大紀元日本9月1日】急速な社会変化やインターネットの普及に伴い、中国では2010年に入ってから流行語の誕生が目覚ましい。今回は、これまでに紹介した流行語を再び振り返るシリーズの4回目。現代中国人の感覚や価値観の一端を垣間見ると同時に、彼らのユーモアを味わってみよう。

17、銭可以解決的問題都不是問題。

△ 金銭で解決できる問題はいずれも問題ではない。

注釈=「地獄の沙汰も金次第」と言われる通り、中国ではどんな難題でもすべてお金で解決できる。それゆえ、中国人は「お金は万能ではないが、お金がなければ万事窮すだ」と言うのである。しかし、金銭では解決できない問題も山積し、社会を蝕んでいるのが現状だ。

18、不吃飽哪有力気減肥啊?

△ いっぱい食わないと、ダイエットする体力がないのではないか。

注釈=ダイエットをする食いしん坊の言い訳というより、本能と理想の矛盾が表出した社会現象を揶揄する時にも用いる。

19、問君能有幾多愁,恰似一群太監上青楼。

△ 幾多の憂いがどれほどか尋ねたい。あたかも一群の太監が妓楼(遊女屋)に上るようだ。

注釈=南唐の末代皇帝・李煜(りいく)の詞の一節「問君能要幾多愁,恰似一江春水向東流」の後半を書き換えたものである。「太監」は宦官(かんがん)の通称で、王朝時代に後宮に仕えた、去勢された男性のこと。

20、鈔票不是万能的,有時還需要信用卡。

△ 金銭は万能的なものではなく、時にはクレジットカードも必要だ。

注釈=拝金主義が横行している今、金銭は万能ではなく、信用がより大切だということを指す。

21、我充許你走進我的世界,但決不充許你在我的世界里走来走去。

△ 君が私の世界に入ってくることは許すが、私の世界の中で行ったり来たりすることは許さない。

注釈=この流行語は、自我と他人、許可と制限などを指すものだが、さまざまなことにたとえて言い表すことができる。

22、工作的最高境界就是看着別人上班,領着別人的工資。

△ 最高の境地にある仕事とは、他人の勤務を監督しながら他人の給料をもらうことだ。

注釈=この流行語は、必ずしも管理層の人たちを指すわけではない。中国では、これと似たような例が実に多いのである。