【生活に活きる植物】26・八手(ヤツデ)

【大紀元日本1月21日】ヤツデは関東以西の海岸近くの山野に自生する日本固有のウコギ科常緑低木。濃緑色で7~9に掌状に裂けた大きな葉があります。晩秋には黄白色の小花がピンポン玉くらいの球状になり、さらに集まって大きな円錐花序をつくります。花の少ない時期に咲くため、ハチやハエなど虫が多く集まります。緑色の実は翌年に黒く熟します。点xun_・A大気汚染にも強く、ハエの嫌がる臭いを出すためゴミ箱、トイレの近くに植えられることもありますが、魔よけとして玄関口に植えられる時もあります。19世紀にヨーロッパに紹介され、今では世界的な観葉植物として広く栽培されています。葉を乾燥させたものは八角金盤と呼ばれる生薬です。

【学名】Fatsia japonica
【別名】テングノハウチワ、テガシワ
【成分】ヤツデサポニン、α-ファトシン、β-ファトシンなど

【薬用効果】八角金盤は鎮咳、去痰作用があり、1日量は乾燥した葉5~10gを煎服し、あるいは適量でうがいをします。リュウマチ、腰痛には浴料として利用します。有毒成分を含むため、指導なく内服してはいけません。過剰摂取すると嘔吐、腹痛、下痢、溶血などを引き起こします。昔は蛆用の殺虫剤に利用されたこともあります。

【余談】山菜として食用にはされません。
花には雄花、雌花と区別はありませんが、花粉を出す雄性期、めしべが成熟する雌性期とあり、時期がずれています。これは近親交配を防ぐための工夫です。また、八手の八は葉の切れ込みが多いという意味で、葉全体の大きさは直径30センチにもなります。
ヤツデも海外では、エキゾチックで耐寒性が強いという理由から非常にかわいがられているそうです。特に欧米では、葉に光沢があって面白い形のため、庭木として人気のある植物です。

ヤツデの実

ヤツデ全景

ヤツデ雄花期

(写真/文・ハナビシソウ)