【生活に活きる植物】 31・芹(セリ)

【大紀元日本4月1日】セリは日本全土の水田、小川、湿地に自生するセリ科の多年草。春の七草の一つで、葉質は柔らかく、独特の強い香りがあります。花は7~8月に純白の小花を多数つけ、傘状花序をつくります。セリとよく似ている猛毒の毒ゼリは5月頃に花が咲き、香りもないので区別は容易ですが注意してください。茎葉を採集し乾燥したものが、生薬の水芹(すいきん)です。品種としては田ゼリ、畑ゼリがありますが、違いはあまりないようです。

【学名】Oenanthe javanica
【別名】白根草(しらねぐさ)、つみまし草
【成分】ミネラル(カリウム、カルシウムなど)やビタミン(A,C,Kなど)

   精油(ピネンなど)、多糖類(ペントサンなど)

 【薬効効果】水芹は適量を煎じて、食欲増進、解熱、神経痛、リウマチ、黄疸などに有効です。生野菜として食べると大きな薬効が期待でき、絞り汁の青汁は芳香健胃薬です。入浴料にすれば霜焼け、手足の麻痺などに有効とされます。

【食用】セリの茎葉はさっと茹でてお浸しや和え物をはじめ和風料理に、根はキンピラにすると美味です。鍋物にも適しており、特に鴨との相性が良く、昔から親しまれています。塩漬けなどにも加工される栄養豊富な緑黄野菜です。

【余談】セリは万葉集をはじめ多くの和歌、俳句に詠まれている馴染み深い野菜で、日本原産の最古の香味野菜とされ、厳寒期に風味が強くあらわれます。競り合って生長することからセリと呼ばれたようです。今は養液栽培が盛んで、香りはやや少ないようですが、一年中収穫されます。昔からセリ粥を正月7日に食べると万病を防ぐといわれています。

セリの根

水耕のセリ

(文/写真・ハナビシソウ)