高智晟著『神とともに戦う』(65) 頻発する学校死亡事件①

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私の目の前に置かれているのは、子供(小学生・中学生・大学生)が死亡した3つの案件である。そのうち、2人の子供の写真は、しばらく前からずっと私の仕事机に置かれている。

その写真だけからも、11歳の少年・高棣君の元気さ、賢さ、愛らしさが十分に伝わってくる。「本当に嬉しいですよ、これほど優秀な息子を持てて。私はいつも誇りに感じます。この息子こそ、私の全ての希望なのです」「数学オリンピック学級の担任・王秋雲先生からも、うちの息子こそ学校も認める四大才子の1人だと言われました。通常、数学のできる子は、国語が苦手だったりするのに、息子は文章力が高いうえ、知識も豊富だとほめられたのです」

「その息子が私たちの元を去ってもう100日……。遺体はまだ霊安室にあります。悲しみに暮れる中、貴部門および指導者各位から納得のいくお答えをいただけるのをお待ちしております。息子を早く安らかに眠らせて下さい。ここで改めて皆様に感謝を申し上げます」

2005年5月23日、子供の遺体が霊安室に安置されて134日目、高棣君の母親が私の元を訪れ、上述の内容を含む「尊敬する指導者」宛ての手紙を私に手渡した。この哀れな母親は、私と会うたびに、同じ内容が一つとしてない、その100日余り前の、美しい生命が放った光と輝きの話をいつまでもいつまでも語り続けた。どれも聞く者の涙を誘う内容であった。

2004年12月8日、11歳の北京の小学生・高棣君は自身の通う、崇文区培新小学校の4階のトイレの窓から墜落し、救命処置のかいなく死亡した。

2005年3月31日、身長1メートル80センチの16歳の北京の中学生・××君は、自身の通う北京市の「重点」中学、すなわち名門中学である171中学校の校舎のトイレの窓から墜落し、死亡した。

また2004年2月には、山海関市の王玉名さん、夏玉敏さん夫婦が私の事務所を訪ねてきて、大学生の息子・王敬伊さんが西安科学技術大学の3階から墜落死したいきさつを語ってくれた。悲しみを抑えきれない母親・夏玉敏さんは全身をずっと激しく震わせていたため、事件の状況をすべて語り尽せなかったが、それでも私の魂を猛烈に揺さぶった。

私にも学校に通う12歳の娘がいる。私が毎朝ジョギングから戻ってくる途中で娘に会うと、私は決まって「道路を渡る時は、よーく安全に気を付けるんだよ」と娘に言い聞かす。私のように、通学路で気を付けるよう子供に伝える親は多い。

だが「学校に着いて校舎に入ったら、絶対に安全に気をつけなさい」と子供に言う大人など聞いたこともない。大半の親、あるいは全ての大人には、子供が学校に着けば、特に教室に入れば安全なはずだという観念がある。教室に入ったら、怪我することはもちろん、ましてや命まで奪う悪質な危険があるなど考えもしないだろう。

 

だがこのように、ずっと変わることなく我々の心の中に深く根付いていた安全に対する価値観が、近年になって揺らぎ始める。みずみずしく幼い、あるいは若い命が次々に奪われるという、この紛れもない情勢。それらが、安全に対する価値観がすでに揺るがされていることを、我々に突きつけているのだ。

これまで長らく安全だと見なされていた学校が、今では人間の命を奪うほどの危険すら存在する。事故は決して偶然ではないのだ。この2年間に、幼き命が亡くなるという重大事件は、10件は下らない。これは、我々の警戒心を喚起するのに十分な真実である。

「裁判長、学校に通う子供の命を脅かす安全上の問題は確かに存在します。王敬伊さん、この若い命が奪われた事件は、そのことを証明しています。しかし本日の審理を通じて、このような危険が起こる必然的な要因、およびこの種の人命を奪う危険が、長らく生命深くに根付き、存在してきたことを、我々は見出しました。

この種の頑強で、文明社会が深く失望する危険や要因は、一体誰に関わりがあるのか。それは、今日の法廷で死亡児童の両親と法廷を前にして、悪びれたところもなくウソをつく、死亡児童から生前に師と仰がれた教師たち。つまり、真実や責任、最低限の道徳に対して、冷やかで無関心な態度を装っている彼らと深く関わりがあるのです」

これは私が、死亡した学生・王敬伊さんの両親に法律援助をした際の発言である。この学生が生前、心から尊敬していたであろう教師たちが、裁判の場で、恥知らずにもウソをつき、集団で責任逃れをしたのであった(法廷尋問が終わるや否や、その教師たちが私を追いかけてきて、「本当は死亡した学生の両親へ同情の気持ちでいっぱいなのだが、飯碗(仕事)を守るために、裁判ではやむを得ずウソの証言をした」と声をそろえて告げた。これには私もうんざりした)。

 (続く)

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