高智晟著『神とともに戦う』(79)権利を護りぬいた軌跡「納税者への扱いは獣以下だ」

【関連記事】
高智晟著『神とともに戦う』(78)権利を護りぬいた軌跡「納税者への扱いは獣以下だ」(1)

2003年以降、太石村や陜北油田事件と同じような、役人が民衆を虐待する血も涙もない事件が次から次へと発生した。しかも残酷な迫害を受けた公民には、一向に冤罪を訴える場所がないのが現状である。平和的な抗議は必ず野蛮な復讐の応酬を受けるのだ。中国の未来はどこにあるのだろうか? 中国国民の未来はどこにあるのだろうか?

このような野蛮な無法状態が続いているということは、もはや目下の中国は国民の天下でもなければ中央集団の天下でもなくなり、野蛮な地方役人集団の天下だということである。安定した国民生活は保障されず、中央集団による一時的で僅かな安定すらも期待できなければ、この道徳と合法性のない局面を存続させることは許されないだろう。

一体、今の政権と中央政府には、中国の公民に保護を提供し、平和的な日常生活を保障し、国民の憲法上の権利を護る誠意と能力があるのかと思わず問い詰めたくなる。中国の大地において頻発している横暴で残忍な事件を、中国政府が見て見ぬふりをするのは何故だろうか? 

まさか各地の役人の行為が、余命いくばくもない自分たちを延命させることを期待しているのだろうか? 各地の役人は中国に残された最後の僅かな安定の基礎と条件を惜しみなく破壊しており、中国を文明世界からどんどん遠く離れさせてしまっているのである。近い将来、中国国民が今まで認識していたような(羊のような)国民と全く異なっていると気づいた時には、既に手遅れだ!

抑制の効かない権力体制と反動的な役人が国民への残虐行為を働くことは、独裁政治の一貫したメインテーマだという事実を、中国の歴史は私達に証明しており、現段階は最も壮絶な局面である。そして同時に、最終的な勝利は必ず国民の手に返ってくることも歴史は私達に示してくれているのである。

最後に中国の公民の一員として、私は国民に戦争を起こそうとしている役人達に厳正に警告するが、あなた達は明日、あるいは歴史において、近い将来、必ず国民から裁かれる。しかしながら、その時にあなた達に下される処罰は、あなた達が得意とする血まみれの戦争ではなく、正義に基づく法律の剣が用いられるに違いない!

 2005年9月15日 陜北靖辺にて

(続く)

【関連記事】
高智晟著『神とともに戦う』(80)権利を護りぬいた軌跡「一つの省と一人の盲人との間の戦争」(1)