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米国議員 中国・香港の政治犯解放へ 「高智晟自由法案」を提出

2025/09/13
更新: 2025/09/13

「高智晟(こう・ちせい)、黎智英(ジミー・ライ)、そして数え切れない人々が、アメリカ人なら誰もが当然享受している自由を行使しただけで不当に投獄されている」とクリス・スミス米下院議員は述べた。

米国ニュージャージー州選出の共和党議員クリス・スミス氏は9月11日、中国と香港における政治犯の解放を目指す法案を提出した。「海外の政治犯を擁護することは道義的義務であるだけでなく、アメリカの国益にとっても不可欠だ」とスミス氏は声明で述べた。

スミス議員は米中経済安全保障調査委員会の共同委員長であり、下院外交委員会の委員でもある。彼は中国共産党(CCP)による人権侵害に関して100回以上の公聴会を主宰するなど、人権問題で大きな実績を有している。

「米国と中国共産党との競争は、本質的には自由と抑圧との闘いである」、「人間の尊厳と法の支配が尊重される世界を築こうとするならば、中国や香港で平和的にこれらの価値を守ろうとする人々と共に立ち上がらなければならない」と同議員は述べた。

今回提出された「高智晟自由法案」は、2017年8月に行方不明となった中国の人権派弁護士・高智晟氏にちなんで命名された。クリスチャンで独学の弁護士だった高氏は、土地を収奪された農民、鉱山事故で家族を失った遺族、そして迫害されてきた法輪功学習者を弁護してきた人物である。

高氏は2006年に「国家政権転覆扇動罪」で有罪判決を受け、8年間の服役後、自宅軟禁下に置かれたのち消息を絶った。妻の耿和氏は2009年に米国へ亡命し、夫の救済を訴え続けている。

スミス議員は、高智晟氏や香港のメディア王で民主化運動の象徴的存在である黎智英氏のような政治犯を、中国共産党との交渉から排除してはならないと強調した。

スミス議員は9月9日、黎智英氏の息子セバスチャン・ライ氏と共に、ドナルド・トランプ米大統領に対し父の釈放を働きかけるよう要請した。トランプ氏は8月、FOXニュースラジオのインタビューで「私は何度もこの問題を提起しており、あらゆる手段を講じて彼を救う」と述べていた。

黎智英氏は、北京政府が香港に押し付けた国家安全維持法に反対し抗議活動を行った人物であり、同法に基づき逮捕された。彼は2020年に収監され、2023年に始まった裁判は長引いており、その間、劣悪な環境下に置かれていると息子は訴えている。77歳の黎氏は糖尿病を患い、5年間も独房に監禁され、自然光を浴びることさえ許されていない。

「高智晟、黎智英、そして数え切れない人々は、言論の自由、弱者の擁護、信仰の実践、正義の追求といったアメリカ人が当然と考える行為をしただけで不当に投獄されている」、「国際的な継続的擁護が、囚人の待遇改善や刑期短縮、あるいは釈放につながることは経験から明らかである。米国議会も国全体も、これら勇気ある人々を決して忘れてはならない」とスミス氏は述べた。

今回の法案(HR 5303)は、中国・香港で中国共産党によって拘束されている政治犯や人権活動家を救済するための包括的戦略を義務付けるものである。法案は制裁などの手段を組み合わせ、全ての外交の場で彼らの擁護を行うことを求めている。また、囚人リストの公開や議会・行政府の支援を目的とした説明会の実施、さらに国務省に専任の調整担当者を設け、各機関や家族による擁護活動と連携させることも盛り込まれている。

法案には、民主党のトム・スオジ議員(ニューヨーク州)と共和党のジョン・ムレナール議員(ミシガン州)が共同提案者として名を連ねている。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。