大紀元時報
漢字の神秘

【動画】毎週一字(3):忍

2018年09月22日 10時07分

「毎週一字」は漢字の真髄をご紹介する教養コンテンツです。毎週一文字ずつをピックアップし、漢字に込められた本当の意味をお伝えします。また、全日本書道連盟正教授青石清雲先生による示範のビデオ動画で、古代から伝わる伝統文化「書道」をご堪能ください。

第三回は「忍」

中国の漢の時代の許慎(きょしん)が、漢字の成り立ちやその本義を部首ごとにまとめた書を「説文解字(せつもんかいじ)」という。
「忍」について、「説文解字」には以下のように書かれている。
漢代許慎《說文解字》曰:忍,能也。

 

「忍」とは”能力”という意味である。とのことです。

古代人は言葉が少ないですね。しかし、その裏に内包されている意味は、今の言葉では語りつくせないような気がします。

 

「忍」の意味

 

漢字は実におもしろい。「忍」という字をよく見てみると、「心」に「刃」が刺さっているではないか。痛いはずだが、刺されている心は安定していて、まったく動じない様子。痛さを我慢するという「忍耐」ではなく、痛ささえも感じない、心が動揺しないことこそ、本当の「忍」の境地であり、古人がこの字で私たちに伝えたかったことかもしれない。

中国では昔から「忍」の精神が語り継がれてきた。漢の時代、劉邦の大将軍をつとめた韓信という名将は、小さい時から「忍」の精神が並の人ではなかったという。彼は少年時代から武術をたしなみ、武術者としていつも剣をさげていた。ある日、彼が街を歩いていると、ならず者が道の真ん中で仁王立ちして韓信に、「お前は偉そうに剣をさげているが、人を殺す勇気があるのか。殺せるものなら、俺の頭を切り落としてみろ。殺す勇気がなければ、俺の股下をくぐって行け」と挑発した。韓信は周囲のあざけりの中、本当にその股下をくぐった。どんな時も衝動に煽られず、「忍」という動じない心を持っているからこそ、後に偉業を成し遂げたのだと後世は彼を讃える。

また、安徽省の九華山で大興和尚が修行していたときのことである。ある日、突然お寺に大勢の人が押し寄せ、和尚を激しく殴り罵った。実は山の麓の村で、地主の娘が結婚前に出産し、父親が激怒し「相手は誰だ」と問い詰めたところ、娘がとっさに「大興和尚」と答えたのだ。地主は村の人々を連れて、けりをつけに来たわけで、生まれたばかりの赤子も和尚に押し付けていった。ほどなくして噂が広まり、かつて尊敬を集めていた和尚は、一気に罵りの的となってしまった。しかし、赤子を育てるため和尚は毎日恥に耐え、ミルクと食べ物をもらいに村まで来ていた。このように、日々の屈辱に耐えながら、赤子を育て上げた。

数年後のある日、突然お寺にまた地主達がやって来た。和尚が笑って、「ずっとお待ちしておりました」と。実は地主の娘は、ある書生と密かに誓いを結び身ごもったが、父親には和尚の子だと偽った。功なり名を上げた書生が求婚に来て、娘はようやく真相を父親に告げた。地主は和尚の許しを請うたが、「怒ったことがないのに、何を許せと?子供を連れて行きなさい」と静かに答えた。

孔子の言葉に、「小忍ばざれば則ち大謀を乱る」(小さな事を我慢できないようでは、大きなことを成し遂げることは出来ない)がある。辱められても、勇気を持って耐え、動揺しない。刃が刺されても動じない。そういう修養と意志、真の意味での「忍」の心を持ちたいものだ。

 

 

(大紀元編集部)

 

【読者からの漢字リクエスト・コーナー】

 

大阪府のあや様から、漢字「里」のリクエストを頂きました。どうもありがとうございます。

 

 

あや様には、青石先生直筆の「風来花自舞」のポストカードをプレゼントさせていただきました。

 

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