120台のバイクが集結、いじめられた少女を「特別卒業パーティー」にエスコート

病気が原因でいじめられたイギリスの少女のために、見ず知らずの人々が集まり特別な卒業パーティーを開きました。

この少女の名前はシャノン・プシファーさん、16歳。

潰瘍性大腸炎と関節炎を患っています。

「潰瘍性大腸炎」は大腸の粘膜に炎症が起きる病気で、日本では難病に指定されている原因不明の病気です。

シャノンさんは入退院を繰り返すうち、病状をからかうクラスメートのいじめを受けるようになりました。

それでも卒業パーティーを楽しみにしていた彼女は600ポンド(約8万円)もするお目当てのドレスを準備、その日を心待ちにしていました。

けれどもパーティー当日、ドレスも着たし、ボーイフレンドも迎えに来ましたが、パーティーに行くことはありませんでした。

陰湿ないじめがエスカレートし、もうそれ以上耐えられない状態だったのです。

シャノンさんの母クレア・カーステンスさんはその夜、ドレスを着た娘の写真をフェイスブックに載せました。

 

母クレアさんは当時をこう振り返っています。

「本当だったら娘はこの素晴らしいドレスを着て卒業パーティーに行くはずだったのに、

「いじめ」のせいで「行かない」という選択をしたの。

娘はもう十分過ぎる程、我慢したわ。「いじめ」が全てを台無しにしてしまったのよ」

クレアさんの投稿は反響を呼び、シャノンさんのために「特別卒業パーティー」を開こうと、地元の人々が立ち上がりました。

善意の輪は広がり、知り合いでもない人が当日のヘアメイクを、会場までのエスコートには120人ものバイク乗りが集結、シャノンさんのために3輪オートバイまで用意してくれました。

 

「会った事もない人たちが私のために力を尽くしてくれて、本当に感動したわ」とシャノンさん。

母クレアさんも、「娘の傷ついた心を癒やし幸せな気持ちにしてあげたい。その思いだけで見ず知らずの人々が手を差し伸べてくれて、本当に感謝しかありません」と語っています。

シャノンさんの父ダニエル・プシファーさんは、10年前28歳の若さで亡くなりました。

彼女は父の写真が付いたコサージュを身に付け、「父とともに」パーティーに臨みました。

ダニエルさんがこの美しい娘の姿を見たら、きっと誇りに思ったでしょう。

この特別卒業パーティーは彼女の一生の思い出になるはずです。

小さな善意が大きな感動に変わる、そんな輪が広がる事を願ってやみません。

 

(大紀元日本ウェブ編集部)