三国志 ビジネス考

孔明から学ぶ!無理難題な取引先との調整方法

諸葛亮孔明は赤壁の戦いのときに、周瑜から2つの無理難題を突きつけられました。
一つは10万本の矢を集めること、もう一つは東南の風を吹かせることです。これをどのようにして対処したのでしょうか。
現代でも、取引先から無理難題を言い渡されたとき、対処する方法はあるのでしょうか。早速、これらの例を見ていきましょう。

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1-1.第1の課題|10万本の矢を集める

呉の周瑜は、孔明が後々に呉の脅威となることを危惧し、難題を与えて処断することを考え、10万本の矢を集めてほしい、と依頼しました。
これに対して、孔明は3日で集められる、と回答。当然、これを守れなければ軍法に照らし、死罪となることを認識した上での回答です。

孔明は3日目の夜、濃霧の中、船を出します。船には藁人形を積んでおり、その船から太鼓を打ち鳴らします。
太鼓の音を聞いた魏軍は、夜襲と考え、濃霧の中、出陣は難しい事から、遠巻きに矢を打つことで対処することとなりました。
結果的に、孔明は船の両側に十分に矢を射させ、その矢を以て、10万本を納品しました。

1-2.第2の課題|東南の風を吹かせる

赤壁の戦いで、魏軍に勝利するために必要な策略は、火計であると誰もが認識していました。
しかし、戦いの起こる旧暦10月頃は、東南の風が吹かず、かえってこの状況で火を放つと、自軍に被害が出ることを周瑜は認識していました。
そこで、孔明は祈祷を行うことで、風を吹かせると伝え、結果的に祈祷を行ったことで東南の風が吹き、火計が成功しました。

この風が吹いた時、周瑜は孔明をここで殺さないと脅威になると改めて認識し、追手を仕向けます。
しかし、この追手が来ることを認識していた孔明は、風が吹いた直後に逃げ出し、この風を利用して劉備の元へと帰参します。

2.取引先との調整方法

ここで第1の課題、第2の課題ともに、取引先の呉より投げかけられたものです。
それを孔明は、①濃霧の中、敵軍から奪う、②祈祷により風を吹かせる、という奇想天外な方法で切り抜けました。
しかし、①、②ともに天候の条件が変わることを知っており、それをうまく利用した、と言えるのではないでしょうか。

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これは、天候条件が変わることを理解することを見通していた、孔明の交渉術と言えるでしょう。
天候条件が変わることを当時、予期できることは、神通力があると考えられるのも頷けることです。

もちろん、孔明の能力の一部かもしれませんが、周囲の状況から情報を得て、それによって正確な判断をしていることは重要でしょう。
しかし、相手にはそのことを知らせず、自らが優位に立つことで、優位な交渉を行ったといえます。

3.まとめ

自らの手の内を明かさず、優位に交渉を行うことは古今東西で行われていることを改めて認識していただけたのではないでしょうか。
取引先との優位な交渉を行うためにも、周辺の状況を収集することは大切です。

大紀元日本ウェブ編集部