大紀元時報

ばい菌は悪者じゃない?

2019年09月10日 13時22分
Yuliia D/Shutterstock
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職業を尋ねられ、私が「アレルギーの専門医」だと答えると必ずみんなが「アレルギーの原因って何なんですか」という質問をしてきます。

まず最初に社会がその病気に気づくから、その病気の知名度が上がってくると説明します。これは理解できます。医学的に原因不明の症状が出ると「これってあのアレルギーかな」と思い、自分でアレルギーだと診断していまします。もちろんそれが当たっていることもあれば、そうではない時もあります。

例えば、何らかの食物アレルギーだと言われている人のうち、少なくとも50%の人の診断は不正確なのです。きちんとした確信もなく食物アレルギーだと診断されている人もいるということです。

Arek Socha / Pixabay

一方11~12%の患者が現在食物アレルギーだとの報告がありますが、本当にアレルギーなのは、そのうちの成人の5%、子供の8%のみです。患者の約8%がペニシリンアレルギーだと報告されていますが、テストの時にペニシリンアレルギーの100人の患者のうち5人未満がアレルギーであることが示されています。

また多くの人が次に質問してくるのは「アレルギーって遺伝なの?」という質問です。ですが、その家族に1人アレルギーの人がいても10~40%リスクが上がるだけです。また遺伝的な病気の発生とは無関係にアレルギーの人は増加しています。

さらに興味深いのは、アレルギーの歴史的記録です。花粉症(環境要因のアレルギー)は1800年に初めて確認されました。それから次々に喘息や食物アレルギーも確認され始めました。

何が変わって、ばい菌がどのように関係しているのか

PublicDomainPictures / Pixabay

遺伝がアレルギーに無関係だとしたら、何がアレルギーの増加の原因なのでしょうか。それは、抗生剤の使い過ぎ、幼少期の急性ウイルス性呼吸器感染症、帝王切開、栄養障害、受動喫煙、公害など、自分の育った環境が大きく関係していると言われています。

これらのリスクをカテゴリー別に分けるとすると、大きく2つの仮説を立てることができます。バリア仮説と衛生仮説です。

あなたの免疫システムが城の壁に潜んでいる軍隊だと仮定しましょう。城の壁はあなたの皮膚、気道、消化管です。軍隊は、熱心な兵士を活性化してあなたを守る体内の他の細胞や白血球で構成されています。

バリア仮説の主な主張は、私たちの皮膚、気道、消化管が慢性的に傷ついていれば、その城の壁は崩れ去ってしまいます。軍隊は果敢に守ろうとしますが、アレルゲンは壁をぶち破り、アレルギー反応が出ます。肌に出るのがみなさんご存じの湿疹です。

Анастасия Гепп / Pixabay


そのバリア部分は人の免疫反応に影響を及ぼします。アレルギーの原因は自分たちのバリアの健康状態に影響を及ぼしますということが研究で分かっています。幼少期の50%の湿疹は、入浴時に赤ちゃんの肌を保護するためのワセリンなどの保護皮膚軟化剤を使用するだけで予防できます。

衛生仮説の主な主張としては、善玉菌と悪玉菌を不注意に殺しすぎてしまったということです。

私たちの社会は、劣悪な衛生状態に起因する感染症に慢性的に悩まされている社会から発展を遂げ、免疫システムにとって適度なトレーニングになる不衛生な環境が減りました。歴史的に見ても、コレラで死亡することは減りましたが、その代わりにアレルギーが増加しました。
家畜と常に触れあっているような農村地域で育つと、生涯を通してアレルギーや喘息のリスクを低下させるとも言われています。

マウスの実験で、土壌に生息する細菌から特定の分子を吸入すると、アレルゲンなどの脅威に焦点を当てた免疫システムを促進する有益なカスケードを構成できることが示されています。

現段階の対処方法

Jill Wellington / Pixabay

将来的にバリアを守ること、そしてより早い段階で少しずつアレルギーの原因になるような物質に徐々に慣れさせていくようにすることで、アレルギーから身を守ることができると今では言われています。しかし、今幼少期にどのくらいの、そしてどの種類のバクテリアに触れればよいかまでは分かっていません。偉大な科学者たちが政府やあらゆる機構に助けてもらいながら、この問題と格闘しています。

その答えが得られるまで、時間がかかるので私が友人や患者のみなさんに教えているアドバイスがあるのでお教えしましょう。

・子供たちを外でどろんこになるまで遊ばせましょう。色々な新しい食べ物にも挑戦させてあげてください。できるだけ、外でいる時間を作るように教えてあげましょう。

・普通の石鹸や水を使用すること。全てを殺菌する必要はありません。

・すぐに抗生物質を飲まず、自分の治癒力で風邪などを治したいと医者と話をしてください。

・自分の体に付けるものを賢く選択しましょう。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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