大紀元時報

赤ちゃんの脳がわずか2%! 母親は中絶を拒否  今では音楽を奏でるまでに

2020年09月07日 18時10分
(Courtesy of Noah Wall)
(Courtesy of Noah Wall)

2011年、シェリー・ウォールさんと夫のロブさんは男の子の妊娠を知り、大喜びだった。しかし、その喜びも束の間、赤ちゃんの脳組織には損傷があり二分脊椎を患っていることがわかった。

胸が張り裂けるような診断を受けたにも関わらず、英カンブリアに住む夫婦は子どもの中絶を断固として拒否した。

それから8年後、彼らの子どもノア・ウォールくんは、夫婦の心配をよそに好奇心旺盛で有能な野心に溢れる少年に育っていた。出生児には2%しか形成されていなかった脳は、驚いたことにノアくんが3歳になるまでに80%にまで成長した。

これはノアのこれまでのお話である。

(提供:ノア・ウォールくん)


大切なのは心臓の鼓動

取材に対してシェリーさんは次のように語った。「妊娠12週目頃の検査ではじめて何かがおかしいとわかりました。私は「心臓は動いていますか」と聞き、彼らは「はい」と答えました。私たちにとって大切なのはそれだけでした」

シェリーさんとロブさんはニューカッスルにあるRVI病院に紹介された。その病院でお腹の赤ちゃんは二分脊椎と水頭症であると診断され、脳の一部を失っていることも明らかになった。

脳の後方4分の1が髄液によって損なわれ、3週間後には反対側が完全に失われた。

医師は赤ん坊の生存は期待できないとし、夫婦に中絶を検討するよう助言した。これを拒否したシェリーさんは「病院に来るたびに中絶を勧められるのは嫌だったんです」と語った。医師らが断念するまでに彼らは5回の治療を受けていた。

(提供:ノア・ウォールくん)

「とてもショックでしたが、常にポジティブであり続けました。私たちに残されたのは希望だけだったんです」

たとえノアくんが生まれてきてもどれだけ一緒にいられるかわからなかったシェリーさんとロブさんは、出産前に彼の葬儀を計画することにした。「家族として彼との時を過ごしたかったんです」とシェリーさんは語った。

赤ん坊の名前を考えることも夫婦に安らぎを与えた。
シェリーさんは、ハリーやヘンリー、ジョージといった王室の名前を望んでいた。

ある日、おもちゃ屋さんに行くと、おもちゃの山の中から小さなノアの方舟を見つけた。「私は主人を見つめて「名前はこれね」と伝えました。そして店の真ん中で抱き合いながら泣いたんです」

(提供:ノア・ウォールくん)

ノアの誕生

2012年3月6日、シェリーさんはニューカッスルのグレートノース病院で緊急帝王切開を受けた。

彼女は手術室での様子を、ノアくんの誕生を期待して「とてもとても静かだった」と振り返った。そしてノアくんが生まれ「命の叫び声」をあげた。「けれどその後は何も聞こえませんでした。それから私たちは赤ちゃんはどうなったのかと考えながらただただ泣きました」

赤ちゃんは酸素を投与され、二分脊椎による背中の損傷を保護するために横向きに寝かされた。胸部から下が麻痺していたが、彼は生きて呼吸をしていた。

4時間後、シェリーさんは集中治療室に連れて行ってほしいと懇願した。彼女は保育器に顔を近づけ赤ちゃんにキスをした。「彼の初めてのキスです」と当時を振り返った。

ノアくんが生後6週間のとき、彼の脳が2%しか形成されていないことが確認され、これまでに8回以上の手術を受けた。もはや回数を数えられなくなったシェリーさんとロブさんは、病院を「第2の家のようなもの」と呼んだ。
 

(提供:ノア・ウォールくん)


脳の成長

ノアくんは3歳のときに足のずれを矯正する手術を受けた。医師らは彼の脳がどのように発達しているかを確認するためにMRI検査をすることにした。

シェリーさんは「彼は見ることも聞くこともできたんです」と息子の信じられない程の成長を嬉しそうに語った。「彼は服を着たり歯を磨いたり、おしゃべりをしたり絵を描いたりとたくさんのことをしていました」

MRI検査の結果は皆に衝撃を与えた。ノアくんの脳はわずか3年で2%から80%にまで成長していたのだ。「とにかく胸がいっぱいで、嬉しくて泣きました」とシェリーさんは語った。

担当のクレア・ニコルソン医師は、何が効果的だったのかわからないとしつつも「どんなことでも良いからこれまでにやってきたことを続けてください」とアドバイスした。

シェリーさんはまた、豪ゴールドコーストの世界的に有名な神経理学療法士であるケン・ウェア氏とニッキー・ウェア氏の功績を認めた。2人ともノアくんの体の自己治癒能力を引き出すために尽力してきた。
 

(提供:ノア・ウォールくん)

シェリーさんとロブさんは、結び付きの強い医療関係者に対して節目ごとに贈り物を寄付し、息子の健康状態を共有した。その中心にいるのは偉業を成し遂げた8歳のノアくん自身だ。

ノアくんは自宅で両親から楽しく勉強を教わっている。またピアノやハーモニカ、ウクレレ、さらにはドラムを演奏することもある。「彼は音が大好きなんです。私たちは初日から彼に両方の手を使うように促してきました。そうすれば両方の脳を使うことができるからです」

ノアくんはイギリスの非営利団体 The Music Man Project の若き後援者でもある。創設者のデビット・スタンリー氏は、ノアくんや学習障害を持つ多くの学生をロンドン・パラディウムに2回連れて行った。ノアくんはステージが大好きだった。

「ノアと The Music Man Project はいつかきっとブロードウェイの舞台に立つでしょう」とシェリーさんは語った。

(提供:Paul Fox Photography 、ノア・ウォールくん)

愛にあふれた人生

現在、ノアくんは腎臓と膀胱の検査のため定期的な健康診断を行っている。しかし母親は、彼は「とてもとても健康」だと語った。

「彼は自分の名前を書くことができるし、時間を言うこともできます。スカイダイビングや乗馬、サーフィンもできるんです。本当に素晴らしいでしょう」さらにノアくんは、料理をするのも大好きで、家庭菜園で果物や野菜を育てているという。

ノアくんにはステフさんという姉がいる。そして彼は目を見張るようなユーモアのセンスを磨いてきた。「彼は朝「私はロボットだ」と言って起きてきます。次の日には「今日はエイリアンだ」と言って、とにかく面白いんです」とシェリーさんは語った。

(提供:ノア・ウォールくん)

彼の驚異的な回復を受けて、ノアくんと彼の両親は2019年にパリで開催された科学会議に招待された。マイクを手にしたノアくんは聴衆からの質問を受けた。驚いたことに「彼はだれとでも話ができるんです」とシェリーさんは語った。

主に車椅子での生活ではあるが、理学療法のおかげでノアくんは足とつま先を動かせるようになった。8歳のノアくんは歩いたり走ったりできるようになりたいと野心を燃やしている。シェリーさんとロブさんは、彼の夢を応援しようとリハビリ器具を装着させた。

「この器具によって彼は直立の状態を保つことができます。枠内で足を動かせるので、実際に歩く練習をしています」

(提供:ノア・ウォールくん)

「彼の物語を多くの人に届けることが大切だと思っています。それはたとえお腹の赤ちゃんが二分脊椎や神経管欠損症といったなんらかの病気を抱えていたとしても、彼らは理由があってここにいるのだとわかってもらえるからです」

「ノアは彼の人生を心から愛しています。 本当に楽しんでいるんです」

 


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(大紀元日本ウェブ編集部)

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