GPSがなくても測位が可能、量子技術がナビゲーションの新時代を切り開く

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米国サンディア国立研究所は、チタン製のケース、アボカド大の真空装置を開発した。プロジェクトチームによると、この装置を車輌や航空機に搭載すれば、将来的にはGPSシステムに頼らずに現在地を測定したり、ナビゲーションが可能になり、安全性が高まるという。

プロジェクト参加者の1人であるサンディア国立研究所のピーター・シュウィント氏は、この装置には高度な量子センサーが使われており、GPS衛星がなくても測位とナビゲーションを可能にする次世代技術が発揮されていると述べた。過去1年間、研究チームは装置の試験運転を行ってきた。

現在、世界中の多くの設備はGPS衛星に頼って測位とナビゲーションを行っている。しかし、GPS信号が妨害されたり、ハイジャックされたりすることがあり、軍事用途には安全ではないとシュウィント氏は言う。この新しいナビゲーション装置があれば、クルマが自分の所在地を安全に特定できるようにする。

この装置は、真空容器内のルビジウムの気体にレーザーを照射して、装置の直線加速度と回転角度を測定して、装置の現在位置を正確に特定できるというものだ。

この原理に基づいた原子加速装置と回転装置はすでに存在しており、その性能は従来の装置よりもっと優れていた。しかし、これらの設備は巨大な真空密閉室を必要とし、稼働には数千ワットの電力が必要だったこともあり携帯式の測位システムにはなれなかった。

共同研究者であるサンディア国立研究所のベタニー・リトル氏は、この量子センサーが実用化されるためには、小型化と耐久性の問題を解決しなければならないと述べた。

実は一番中心的な物理機構が必要となる真空密封容器は1立方センチメートルしかないの大きさなので、それ以上のスペースはさほど必要ない。

最高の密閉効果を達成するために、密封容器を作る材料としては金属チタンとサファイアが使用されている。このような材料で製造された密封容器は、その密封効果が通常のステンレスや耐熱ガラスよりはるかに優れているとシュウィント氏は述べている。

プロジェクトチームによると、この密封容器の製造プロセスは複雑で、核兵器部品に使用される高度な材料を使っているという。例えば、核兵器はチタン合金の密封室が使用され、何年間も安全性を保証することができるものだ。サンディア国立研究所は、米国家原子力安全局 傘下の3つの研究所の1つである。

この研究は7月15日に『AVS量子科学』 (AVS Quantum Science)の定期刊行物に発表された。

(翻訳者・盧勇)