中国旧正月に関するタブー 天からの啓示

幼い頃、旧正月(2022年は2月1日)を祝うため、両親と実家のある中国に帰っていた時、私は旧正月に関する多くのタブーを毎年、聞かされました。大人になって、これらのタブーは代々伝えられてきた歴史あるものであり、根拠も意義もあるものだと知りました。

禁忌(タブー)は中国の伝統文化の一部であり、このような、神聖で、何かを禁ずるというパワーは、神様に対する信仰を基に成り立っています。多くのタブーは神からの啓示であり、神の意志であると認識されています。

タブーのほとんどは、人間に理解されないような、人類が予知できないようなことが含まれています。例えば、子供を教育する時、いくら説明しても子供に理解してもらえなさそうな場合、大人は直接そのことを禁じますが、これと同じことなのです。多くの禁忌は、凶を避ける働きがあるため、人々はそれに従うようにしています。

逆に誤ってタブーを起こした場合、「事実の不知は罰せず」(知らなかったのでお許しください)と言って、神様のお許しを乞うのです。

除夜のタブー

除夜はその年最後の日のことであり、旧正月と並ぶほど重要な1日です。

漢民族の場合、この日、天上の神々が地上に舞い降り、故に民間では盛大に祭祀のイベントを行います。黒竜江省や河南省、台湾などの地では、この日、掃除やごみ捨ては禁じられています。

雲南省でも、汚水を捨ててはならないという禁忌があり、破ると、来年、洪水になるといわれています。また、漢民族や中国の少数民族ダウール族はこの日、人を罵ったり、泣きわめいたり、叱ったり、お椀や皿などを割ったりすることも禁じられています。女性は裁縫してもいけません。

また、除夜の晩に食べる豪華なごちそうは、「吉慶有余」と言って全部食べてはならず、必ず翌日(旧正月)に残すことが重視されています。

旧正月の日のタブー

年始めでもある旧正月は最もタブーが多い日です。

まず、朝は早く起きなければなりません。遅く起きた場合、その年が怠惰な1年となり、やる気が失せると言われています。

また、除夜(大晦日)と同じように口を荒げたり、罵ったりしてもいけません。その1年間、言葉遣いが荒くなるからです。したがって、その日は、今後1年間のために正しく行い、正しい言葉を遣うことが求められています。

薬を飲むことや、刃物を扱うこと、喧嘩することも、この日は禁じられています。このタブーを破ると、この1年間で悪いことが起こると言われているからです。
また、お年玉も必ず偶数でなければなりません。そうでなければ、不吉だと思われます。

中国の旧正月では水餃子を食べますが、皮が破れると不吉だと思われるので、作る時と茹でる時は特に気をつけなければなりません。

旧正月は元旦と同じように1年の始まりですので、悪や不吉を招くようなことは一切禁じられています。今後の1年に良いことが訪れるよう、心がけましょう。

(作者 泰源/翻訳編集 天野秀)