世界中のピラミッド(41)テオティワカン 太陽のピラミッド

古代都市テオティワカン(Teotihuacan):太陽のピラミッド

太陽のピラミッド死者の大通りの半ばあたりの東側、月のピラミッドとシウダデラの間に位置しており、古代都市テオティワカン遺跡において最大の建築物です。

3基のピラミッドは基本的に一直線上にあり、周囲には多くの小ピラミッドや比較的に低い建物が分布しています。これにより、中央に位置するこの太陽のピラミッドがより一層目立って見えます。

太陽のピラミッドは2世紀頃に建てられ、表面は階段状になっており、化粧石はきれいに磨き上げられた赤い火山岩を使用しています。高さ65m、南北の長さは222m、東西の幅は225mあり、容量は約120万立方メートルあります。

4つの側面は、頂上まで大きく5層に別れ、正面の階段には236段あり、4つの側面とも頂上まで直通の階段が設けられています。

ピラミッドの4つの側面はそれぞれ東西南北に面しており、正午の太陽は頂上に直射し、夕方の太陽はちょうどピラミッドの西側に沈んでいきます。

ピラミッドの表面は石膏で仕上げられており、鮮やかな色彩の壁画も施されていましたが、しかし、何世紀もの風雨にさらされ、今や何の色彩も残されていません。

近年、太陽のピラミッドと月のピラミッドの座向(正面方位)は銀河系や星座と何らかの関係を持っていると、天文学者の間では考えられています。

テオティワカンは死者の大通りを含め、東西南北に対して15.25度時計回りに回転した方位となるよう建設されているため、8月12日と4月29日の日没がピラミッドの正面に、2月11日と8月29日の日の出が真後ろにくるようになっています。

また、8月12日は非常に重要な1日となります。なぜなら、この日はマヤ暦の始まりで、多くの重要な天文観測や占星なども、この日、このピラミッドで、観測することができるからです。

1971年、考古学者らにより、ピラミッドに7mの竪穴があることが発見されました。この竪穴は自然にできた溶岩洞窟で、中心の横穴に通じており、横穴の先はクローバーの葉のように4つの部屋に分かれ、それぞれの部屋から大量の古代祭祀に使われた文物が発掘されました。しかし、棺桶が発見されなかったことから、ここは祭祀のために使われていたといわれています。

ピラミッド内部には複雑な排水システムがあり、排水管は石でできています。

この排水システムの存在が、より一層考古学者らを悩ませました。なぜなら、ピラミッド内には水源などどこにもないからです。しかし、この排水システムの存在は、ピラミッド建設当時、十分な水流があったことを証明しているのです。

また、死者の大通りの北側、道路に沿っていくつもの水門や水利施設が設けられていることからも、かつてこの大通りには水が流れていたことが証明されています。

――正見ネットより転載
(作者・意文/翻訳編集・天野秀)