確率は8万分の1 赤ちゃんが羊膜嚢に包まれたまま誕生

スペイン東部バレンシア州ビナロスの病院で母親が帝王切開で双子を出産したが、なんと2人目の赤ちゃんは羊膜嚢に包まれた状態で腹部から取り出されて生まれてきたという。

(驚くべき写真はこちらから)

羊膜は、胎盤の内側にある2枚の丈夫で透明な膜で、胎児を保護し、母体の中で安全に成長させるためのものだ。羊水嚢には羊水が含まれており、胚が自由に動くことができ、子宮の壁に強く押し付けられることがない。

通常、出産時には羊水で満たされている羊膜嚢が先に破裂し、それは一般に「破水」と呼ばれている。「破水」を起こさずに生まれてくる新生児は非常に稀で、臨床的確率は8万人に1人程度と言われている。

出産を担当した産婦人科医アナ・テイジェロさんは、この驚くべきニュースをTwitterで公開し、「未破裂羊膜での帝王切開は初めてだったが、やってみてよかった」と多くの人に命のすばらしさを伝えている。

「こんな貴重な出産体験、未来の医療従事者たちにとって励みになればいいね」

「この写真、いくら見ても飽きないよ」

またテイジェロ医師は別の投稿で、双子は健康で良い状態で生まれたと付け加えている。

助産師、婦人科医、小児科医、麻酔科医、看護師、学生、そしてもちろん「赤ちゃんのお母さん」まで、分娩室にいるすべてのスタッフが、この忘れられない出産を喜んだ。

また、写真や動画は双子の母親の許可を得てSNSで共有されたことを明らかにした。

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この写真には多くの人が注目し、「最も美しい生まれ方だ」「生命の不思議を実感した」「すごいお母さんと驚くべき赤ちゃん」とコメントしている。

この特別な日を記念して、テイジェロさんと病院のスタッフは、青と紫の2人の胎盤の絵を描いてお母さんにプレゼントした。

羊膜嚢に包まれたまま誕生することを医学用語では「ENコール」、欧米では「マーメイドバース」と呼んでいる。

(翻訳:里見雨禾)