ダイエットや便秘に効果的なバナナ でもこんな人は注意して(2)

やわらかくて甘いバナナは、小さな子どもからお年寄りまで、誰でも食べられます。生で食べても、調理しても良く、様々なおいしい食べ方があります。また、バナナは低価格で一年中、手に入り、ダイエット便秘を改善するなど、様々な効果をもたらす重要な栄養素がたっぷり含まれていることも人気の理由の一つです。

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5.血圧を下げ、心臓の健康を改善する

カリウムは血圧のコントロールに直接的に作用します。同心ヘルスケアシステムの栄養士、楊斯涵氏によると、バナナには100gあたり368mgのカリウムが含まれており、これを食べると高血圧の予防になるそうです。

また、カリウムは心臓病のリスクを軽減する働きがあります。2011年、「Current Hypertension Reports」に、カリウムの摂取が脳卒中、冠動脈疾患、心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを低減するという研究結果が発表されました。

また、マグネシウムは不足すると不整脈の原因となるため、心臓の健康維持にも良いとされています。

ただし、バナナは適度に摂取することが大切です。バナナは血圧を下げるのに適していますが、糖分が多く、バナナ1本で1日2食分の果物に相当し、糖分を取りすぎると中性脂肪に変わりやすく、血中脂肪が高くなる原因となります。
 

6.運動やアルコールの後の電解質補給

マラソンなどのスポーツ大会で、バナナを食べているアスリートを見かけることも少なくありません。バナナは皮をむいて食べるという手軽さのほかに、果肉に含まれるカリウムやマグネシウム、糖分などがアスリートにとって有益なのです。

電解質のバランスが崩れると足がつることがあるので、運動前にバナナを食べると予防になります。

運動後は電解質だけでなく、糖質やタンパク質も補給する必要があります。糖質は体にエネルギーを供給し、筋肉を修復し、再び成長させることができます。ですから、バナナを食べれば、3つの栄養を同時に満たすことができるのです。

2012年に科学雑誌『PLOS ONE』に掲載された研究では、14人のサイクリストのパフォーマンスに対するバナナとブランドスポーツドリンクの効果を比較し、運動による炎症と酸化ストレスの影響を改善する効果が同等であることがわかりました。

また、飲酒後の脱水により体内で不足する電解質も、バナナを適切なタイミングで食べることで補給することができます。しかし、バナナで脱水が解消されるというわけではなく、体内に残ったアルコールを代謝・排泄させるために、水をたくさん飲むことが一番の治療法だと呉氏は強調します。
 

バナナを食べるときに気をつけるべき3種類の人

バナナは人気のある果物ですが、注意が必要な人もいます。

 

熟していない緑色のバナナは、熟した黄色のバナナよりもグリセミック指数が低く、レジスタントスターチとペクチンをより多く含んでいます。 (Shutterstock)

 

バナナは、脾胃が虚弱な人、鼓腸、消化不良、下痢などの症状が出やすい人、胃腸の機能が低下している人には向いていません。

また、バナナにはカリウムが多く含まれており、急性または慢性腎不全の患者は、尿路系を通じて体内のカリウムイオンやその他の電解質のバランスを保つことが難しいため、バナナの摂取は控えた方が良いとされています。特に、バナナを食べ過ぎると、高カリウム血症の患者の疲労感、筋力低下、麻痺、不整脈などの症状を悪化させることがあります。

糖尿病の患者は緑色のバナナが適しており、黄色のバナナを食べる方は血糖値の上昇に注意が必要です。吳柏鋒氏は、熟した黄色いバナナのグリセミック指数は、未熟な緑色のバナナの約2倍であると説明しました。ただし、糖尿病の患者は、糖質の総摂取量を減らすために、バナナを1/3本、1/2本食べることが推奨されています。

(翻訳・井田千景)

蘇冠米