やめられないドカ食い その根本原因とは(1)

「フレッシュマン15」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これは、大学1年生の多くが、家を出て1年目に15ポンド(約6.8kg)太る傾向があることを意味します。実は、冬になると、大人でも同じような現象が起こりえます。寒くなって室内で過ごす時間が増えると、ドカ食いをして服のサイズが大きくなったり、ゆったりとしたスウェットパンツをはくことが多くなります。

いまや、冬だけではありません。過去2年間のコロナ禍において、食べ物は恐怖、不安、不確実性の気分を和らげる効果的な手段にもなっています。食べ物は快適さや喜びをもたらし、また注意をそらすことで暇をつぶせます。当然のことながら、多くの人が結果的に太ってしまい、今では「コビッド15」という固有名詞もあります。

春を迎え、あらゆるものが新しく生まれ変わると、体型も一新して、以前の服をもう一度着られるようにしたい、あるいはウエストゴムのない新しい服が着られるようになりたいと感じるかもしれません。

しかし、この記事は食事や運動の方法についての話ではありません。食事や運動に関する情報は、他でも数え切れないほど見つけられます。なぜなら、これらの方法はほとんど効果がなく、少なくとも長続きしないからです。これらの方法が失敗するのは、問題発生の原因ではなく、問題の発現症状である肥満そのものしか解決できないからです。
 

ドカ食いの根本的な原因

ドカ食いは欲望にまかせた突発的行動で、一時的なものだと思っているかもしれません。例えば、もっと食べたい、美味しすぎてやめられない、などです。これは事実なのかもしれません。しかし、私たちがドカ食いをしたり、強迫的に食べ物に手を伸ばすのは、本当にそれが食べたいからではなく、現実逃避している場合が非常に多いのです。

正直に言って、大好きなアイスクリームも、4杯目になるとそんなに美味しくはないはずです。
何に対しても依存症になることがあるように、私たちが「あるもの」を求めるのは、不安や退屈、悲しかったり、楽しかったり、困惑したり、戸惑ったり、恐怖を感じたり、その他の対処しにくい気分に直面したくないからです。「あるもの」、ここでは食べ物ですが、その食べ物は、どう向き合うかわからない、欲しくもない感情から解放してくれます。

ドカ食いをしてしまう人は、あなたのせいではありませんが、がすでに食べ物と、解放感、心地よさを結びつけているのです。そのため、嫌な気分になると、脳は「食べ物が解決してくれる」「食べれば嫌な気分が消える」「食べ物によって嫌な気分から抜け出せる」と反応するのです。それは不快感が生じた瞬間、あるいは、そのことを無意識かつ習慣的に心配しているだけでも、すでにあなたの脳はこの接続を開始しているのです。

食べ物への依存を上手に断ち切るには、食べ物から注意をそらし、何かを食べたいという気持ちの引き金となるもの、つまり冷蔵庫を開けるという行動の引き金となる内面的な感情に目を向ける必要があります。向き合いたくないというその気持ちから、食べに行くという行動の形成、そして自分の体や自分自身に対してネガティブに考える過程をスローダウンさせることが必要なのです。

ドカ食いの衝動に駆られたら、何か違うことをして意識を保ち、現実と向き合うべきです。
そこに静止していると、まるで台風の目の中にいるかのように、抑えきれない衝動や不快な感覚の中で、冷静でいなければなりません。

その瞬間にできる最もパワフルで勇気のあることは、「今、自分は何を経験していて、何を放棄したいのか」「感じたくないその気持ちとは何か」と自分に問いかけることです。その瞬間は、チョコレートを一口食べることが最善の選択であるように感じられます。しかし実際はそうではありません。自分が経験していることに耳を傾け、注意を払い、自分の心を感じることが自分に対する本当の優しさと慈愛です。

ドカ食いのサイクルを断ち切るために最も重要なことは、自分の信念を貫き通し、習慣的な反応を触発するつながりを切ることです。不快に感じることを選択することは直感に反し、怖いかもしれませんが、このように自分を知るプロセスこそ、自分をより良くしてくれます。

(つづく)

(翻訳・李明月)