夏到来 太陽光はがんの原因? 危険な日焼け止めの成分に要注意(1)

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夏が近づくと日焼け止めについて気になる人もいるでしょう。使う際に注意すべきこと、例えば、「どれくらいの頻度で使えばいいのか?」その他にも、「日焼け止めには、体内に吸収されるオキシベンゾンやアボベンゾンなどの内分泌攪乱物質が含まれている?」「日焼け止めは危険?」「 日焼け止めは体内のビタミンD濃度を下げてしまう?」「最も安全な日焼け止め方法は?」などなど。

皮膚科医は、すべての放射線は癌や皮膚の早期老化、シワの原因になると言っていましたが、そう言った言葉は人々の日焼けへの憧れを妨げるものではなく、日焼け用品を扱う業界には支障はありませんでした。

アメリカの日焼けブームに転機が訪れたのは、1997年のことです。ビーチのテレビ番組「Beach Rescue」のメイクアップアーティストが、出演者たちは色付きのタンニングローションを使っていて、実際には日焼けしていないことを明らかにしたのです。するとセルフタンニングや色つきの日焼け止めなどが店頭に並ぶようになりました。

太陽光はがんの原因になる?それとも予防になる?

太陽光の効用とリスクに関する科学的知見は、実に紛らわしいものがあります。 例えば店頭に日焼け止めが並ぶようになる以前に比べて日光を浴びる機会が減っているにもかかわらず、皮膚がんの発生率は増加傾向にあります。

これについては、オゾン層が薄くなり、太陽光が強くなったとか、インドア派の人々の生活スタイルが原因だとも言われています。

しかし、いくつかの研究によると、太陽の日差しが出ていない場合でも、例えば、乳がん、大腸がん、高血圧など様々な症状の発生率が増加するというリスクがあり、2020年『国際環境研究・公衆衛生学会誌』(International Journal of Environmental Research and Public Health)に掲載された包括的な研究では曇りでも、米国で年間34万人、欧州で年間48万人の死亡の原因となっている可能性が指摘されています。

皮膚科医の中には、安全な日光浴など存在せず、日焼けが実は皮膚への「ダメージ」であると主張する人もいますが、医学者の中には「健康な日光浴」と「危険な日光浴」を区別している人もいます。

2018年に『国際環境研究・公衆衛生学会誌』に掲載されたレビュー研究では、米国とオランダの研究者が 「重度の日焼けはメラノーマ(悪性皮膚がん)のリスク上昇と関連するが、焼かない日焼けはメラノーマのリスク低減と関連する 」と示唆しました。また、「焼かない紫外線の照射は健康に有益であり、適度に推奨されるべきである」とも提言しています。

結局日焼け止めは安全なのか?

太陽光の危険性についての警告がますます強くなる一方で、人々を守るべき製品への健康不安も表面化しています。日焼けを防ぐだけでなく、日焼けや皮膚の老化を抑える効果が期待される、オキシベンゾン、アボベンゾン、ペルオキシニバレネート、オクチノキサート、オキシコドンといった「ケミカル」サンスクリーンと呼ばれる成分は、FDA(アメリカ食品医薬品局)の承認に向けて研究されてきましたが、2019年には、これらの成分の安全性についてさらなる研究が必要であると発表されました。

これは、これらの成分の体内吸収率が従来考えられていたよりも高い可能性があることが報告されているためです。さらに、これらの日焼け止めが継続的に使用されるようになると、このリスクが増加すると懸念している専門家もいます。

皮膚科医のヘンリー・リム氏は、「私たちは、年間を通じて毎日日焼け止めを使用し、長時間日光にさらされる場合は数時間おきに塗るよう呼びかけています」と指摘します。

FDAが発表を行ったのは、2019年の米国医師会雑誌(JAMA)の研究で、4種類の日焼け止めを1日に推奨量使用すると、アボベンゾン、エコーコナゾール、オキシコドン、オキシベンゾンの血中濃度が上昇することが判明したためです。さらに悪いことに、羊水、尿、血液、母乳から内分泌撹乱化学物質であるオキシベンゾンが検出されたのです。

オキシベンゾンをはじめとする日焼け止めが内分泌を阻害するという疑いは、今に始まったことではありません。2015年、学術誌「Hormones」では、一部の日焼け止め成分の多くは、実験動物の発情周期、精子形成、性行為、生殖能力、その他の生殖パラメータに影響を与える事があると書かれており、また「水生環境におけるこれらの物質の存在は、新たな環境危険をもたらす可能性がある」と述べています。

研究者がここまで心配するのも当然な事で、2021年の米国国立海洋局はウェブサイトで、化学物質の日焼け止めは「サンゴやその他の海洋生物に対する深刻な脅威」であると警告しています。

また、化学物質による日焼け止めは、サンゴの本体であるポリプの体内に蓄積され、若いサンゴのポリプを変形させ死亡させ、稚貝やウニに不具合を生じさせる可能性があります。人間と身体的によく似た哺乳類であるイルカでさえ、化学的な日焼け止めが体内に蓄積され、子供に影響するリスクがあるのです。

(つづく)

(翻訳・志水慧美)