ちょっと気になる体臭のお話し「重病が隠れているかも?」(2)

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(前稿より続く)

3、「酸味のある」におい

一部の乳がん患者は、自分の体から「酸っぱい大根の臭いがする」と医師に訴えます。肺がん、胃がんの患者も同様に、なんとなく酸味のある臭いを覚えることがあります。

各種がんに伴う体臭は、多くの場合、「部分壊死」「細菌感染」「それらに関係する分泌物」の3つに起因します。例えば、腫瘍が潰瘍化するとそこに細菌が増殖して、悪臭が生じる場合があるのです。

ある男性のケースです。はじめは胃食道逆流や胃酸過多など、複数の胃の不快症状が現れました。しかし、この時には「抗生剤の飲みすぎで胃を痛めたのだろう」と自己判断していました。

その後、薬の服用を控えても胃の不調は治らず、やがて鼻咽喉のあたりで「酸っぱい臭い」と「血の生臭さ」がしていることに気づきます。周囲の人からも、「あなたの体臭に酸味があるようだ」と言われ始めました。

そこで、ようやく彼は病院で胃カメラ検査を受け、自分が胃がんに罹っていたことを知るのです。

4、「果物のような」におい

1型糖尿病または2型糖尿病に関連するケトアシドーシスが原因で、体から「果物のようなにおい」が生じることがあります。

ケトアシドーシスとは、主として1型糖尿病の患者に起きる急性合併症です。ただし、2型糖尿病の患者でも、砂糖を大量に含む飲み物をのむことで起きるペットボトル症候群のように、ケトアシドーシスを起こすことがあります。

糖尿病の患者は、体が十分なインスリンを作ることができなかったり、インスリン抵抗性が高かったりすると、血中のブドウ糖を使ってエネルギーを作るのが困難になります。

この時、体はエネルギーを得るためブドウ糖に替えて脂肪を燃やしますが、その際に、血中にケトン体を生成するのです。このケトン体が過剰になる現象がケトアシドーシスです。

その症状は、全身の倦怠感、口の渇き、嘔吐、腹痛、意識障害のほか、重篤な場合は昏睡にも至ります。

血中のケトン体はフルーツのような香りがするため、吐いた息から「果物のようなにおい」がするのが特徴です。口臭だけでなく、やがてそれが体臭にも現れてきます。

5、「発酵したビール」のにおい

ビールのような体臭は、代謝の異常と関係があります。

痛風は、血中の尿酸が過剰になって代謝できず、激痛を起こす病気です。この時、汗や尿から発酵したビールのようなにおいが出ます。さらに体臭も同じく酸味のある、異様なにおいになります。

6、「ブドウのような」におい

重篤な肺緑膿菌感染症の患者は、体から「ブドウのようなにおい」がします。

緑膿菌は文字の通り、感染すると「緑色の膿」を生じる細菌です。
常在菌であるため、体が健康であれば大きな問題には至りませんが、何らかの原因で免疫力や抵抗力が低下した状態のときは、肺や尿路に侵入して重篤な感染症を引き起こします。

7、腋の臭い

腋の臭いがひどい場合は、腋下のアポクリン腺が細菌感染しているのかもしれません。

汗腺は、ほぼ全身の皮膚に分布しており、発汗することで体温を調節する重要な機能をもちます。一部の汗腺はアポクリン腺といって、腋下や会陰部にあります。この場所は、汗をかいてもすぐに乾かないため、細菌が繁殖して臭いを引き起こしやすいのです。

特に、腋下に化膿性汗腺炎が発生した場合は、皮膚科の治療が不可欠になります。この病気は腋の下に膿がたまって、ひどい臭いがします。

あなたに体臭や口臭の問題がある場合、それが体や口腔内、あるいは衣服を清潔にすることで解決されるなら、特に心配は要りません。

しかし、その陰に重大な病気が隠れている場合もあります。初期がんを知らせるシグナルも含めて、くれぐれも見落とさないようにしたいものです。
(完)
(翻訳編集・鳥飼聡)