5年連続1位の地中海食ダイエット 食べるときの6つの注意点(1)

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『US News & World Report』誌は毎年、循環器、糖尿病、栄養、肥満、食品心理の専門家を招き、数十種類の食事療法を検討し、ランク付けしています。その中でも、地中海式ダイエットは5年連続で「ベストオールダイエット」に選ばれ、2022年には、数々の1位を獲得しています。

地中海食は、体重減少、心臓や脳の保護、がんや糖尿病、慢性疾患の予防に効果があることが、多くの研究で証明されています。しかし、地中海式ダイエットをしたからといって、これらの効果がすぐに得られるわけではありません。効果は食べ方次第です。

地中海食の4つのポイント

(1)野菜、果物、全粒粉、豆類、ナッツ類、種子類、オリーブオイルを多く摂り、ハーブやスパイスを適量使って調理する。

(2)魚、魚介類、鶏肉、乳製品、卵を適度に食べる。

(3)甘いものや赤身の肉の摂取を控える。

(4)出来れば赤ワインを少量摂取するようにする。

間違った地中海食の食法は、反対に悪影響があります。よくある失敗例と正しい食べ方とは何でしょうか?

野菜の食べる量を調節しましょう

「”地中海食 “では、さまざまな食材をバランスよく食べることができますが、多くの人は【バランス】に気を配らず、食材の割合や分量をおろそかにしています」と、栄養士の李佳蕙氏は言います。バランスのよい食事というと、しつこいと思われるかもしれませんが、それが「すべての基本」なのです。

例えば、アメリカ政府は、食物繊維やさまざまな栄養素を含む野菜を1日2〜3カップ以上食べるよう、成人に義務づけています。野菜の1日の摂取量に制限はありませんが、だからといって食べ過ぎると体調を崩してしまいます。

野菜には難消化性の食物繊維が多く含まれているため、過剰に摂取すると便秘や下痢、腹痛、鼓腸などの症状が出ることがあります。

特にガスが発生しやすい野菜は、玉ねぎ、にんにく、ねぎ、キャベツ(コールラビ)、ブロッコリー、金時豆、えんどう豆、アスパラガスなどで、適度な摂取が必要です。

医学雑誌『Nephrology Dialysis Transplantation』に掲載されたレビューでは、慢性腎臓病の患者さんに望ましい食事として地中海食が挙げられています。記事によると、地中海食は慢性腎臓病のリスクを大幅に低減し、末期腎臓病のリスクを16%減少させ、患者の生存率を向上させるとのことです。

慢性腎臓病の患者は、ブロッコリースプラウト、ヘチマ、ガーキン、きくらげ、大根、紫タマネギ、ハスの実、スイカ、リンゴなど、カリウムが少ない野菜や果物を選ぶと良いでしょう。あるいは、カリウムの濃度を下げる為に野菜を煮るのも良いでしょう、その際、煮汁は飲まないで下さい。

一度に多くの野菜を食べると、便秘や腹部膨満感の原因になることがあります。慢性腎臓病の患者さんは、カリウムの摂取量に注意する必要があります。(Shutterstock)

料理にオリーブオイルを使いましょう

地中海食では油脂はタブーではありません。エクストラ・バージン・オリーブオイル、アルガンオイル、アボカドオイルなど、良質な油を摂ることが大切です。これらの油を食事に取り入れる際には、量に注意することが大切です。たとえ良い油であっても、摂り過ぎれば体に負担をかけることになります。

脂肪の1日の摂取量の目安は、大さじ3〜8杯で、大さじ1杯は15ccです。

地中海料理を食べている人は、オリーブオイルを使い慣れている為、オリーブオイルが良いということは知られていますが、「中にはそのまま飲む人もいるという話も聞きます」と李佳蕙氏は語っています。人々がオイルを飲むのは、オリーブオイルが熱に弱く、熱を加えると栄養素が破壊されるという俗説が関係しているそうです。

実際、オリーブオイルを料理に使うよりも、飲む方が有益であるという主張を裏付ける研究はないのですが、キングス・カレッジ・ロンドンの遺伝疫学教授であるティム・スペクター氏は、科学的実験と著書のために、オリーブオイルを飲むなどして1週間のオリーブオイル・ダイエットに挑戦しました。その結果、吐き気やめまいを覚え、その後、実験を断念しました。

李佳蕙氏は、健康のためにオリーブオイルを飲む人がいるが、料理にもオイルを加えると、結局は脂肪分の摂りすぎになり、体に負担がかかると指摘しました。そのため、飲むよりも食事にオイルを取り入れることだけが望ましいとされています。

オリーブオイルの他に、李佳蕙氏は苦茶油、キャノーラ油、バスマティライス油、グレープシードオイルなど、オリーブオイルと同じように不飽和脂肪酸を豊富に含む様々な食用油を交互に使うことを勧めています。

油脂の酸化過程で過酸化脂質が生成されますが、過酸化脂質は非常に不安定で、油脂の酸化劣化の過程で亀裂が入り、フリーラジカルをどんどん発生させ続けます。フリーラジカルは、細胞を傷つけ、老化や、心疾患、白内障、癌など多くの慢性疾患の原因となる不安定な因子です。

イタリア国立オリーブオイル専門家協会のシニアオイルテイスター資格を持つO.L.E.A.の謝長勝氏は、著書「高代謝地中海料理」の中でさらに、食用油は熱や光を避け、冷暗所で乾燥させて保管すべきだとアドバイスしています。オリーブオイルをはじめ、ほとんどの食用油は、ボトルの蓋にたまった水分がオイルに垂れてくると、劣化が加速する為、冷蔵庫に保管しないでください。

経済的な理由から、大容量で安価なブレンドオイルを選択することがあると思います。これらのオイルは、異なる植物油を原料として、さまざまな割合でブレンドされているため、早く使い切らないと酸化して腐敗しやすくなります。そのため、人数が多い家庭でなければ、早く使い切るようにしましょう。

オリーブオイルは酸化を防ぐため、摂取量や保存方法に気をつけましょう。
(Shutterstock)

(続く)

(翻訳編集:香原咲)

蘇冠米