誠意があれば、良い人脈ができ、良い人を引き寄せることができる

「誠意 」は、良い友人を作り、良い人を引き寄せる方法なのです。『礼記・中庸』には、「惟天下之至誠,為能化」という言葉があります。 つまり、世界で最も誠実な心だけが、人を変えることができるのです。 大げさに言えば、誠意とは、実は人と人をつなぐ架け橋なのです。

職場で一番怖いのは、「顔が笑っているのに心が笑っていない人」です。そういう人は偽善者で、誠意がないからです。 しかし、誠実な人は言動が一貫しており、人付き合いも良いので、近くにいる人は幸せな気持ちになります。 誠実に、正直に人と接することで、良い人脈ができ、仕事でも上司の好意や取引先の信頼を得ることができるようになるのです。

昔から「精誠所至,金石為開」(真心をこめてやれば、金石といえども切り開くことができる。思う念力岩をも徹す)という言葉がありますが、これは「誠意と忍耐があれば、できないことはない」という励ましの言葉です。 それだけでなく、他人との正直さを追求することで、知らず知らずのうちに多くの悪い習慣が失われ、「正直さ」が人を奮い立たせ、ひいては自分の心を浄化してくれることに気づくはずです。

真実を話すことは嘘をつくことよりも簡単です

多くの人が、この社会には誠実さが欠けており、お互いの交流に誠実さが欠けていると嘆いています。 少しくらい嘘をついてもいいと思われがちですが、私はそんなことをする人はいけないと思います。

正直者が嘘をつかないのは、うっかり1つ嘘をつくと、あと10個作り直さなければならず、嘘つきでない人間には負担が大きすぎることを知っているからです。 しかし、現実には、人に100%正直に接することは容易ではありません。

たとえば、約束の時間に遅れてしまった人の中には、自分が遅く家を出たことを反省せずに、「バスが遅れた」「渋滞のせい」「事故のせい」「バイクの燃料切れのせい」などと言い訳をしています。 要するに、遅刻を正当化するために投げかけられる言い訳は多岐に渡るのです。

「本当のことを言う」ことは、誠意をもって接しているかどうかを見極める方法の一つです。遅刻の理由で嘘をつくのを止めたいなら、「本当のことを言う」ことを実践してみてください。自然と遭遇しそうなことを考え、早めに出かけるようになります。これは約束の時間を守ることや、決められた時間に家をでるといった良い習慣にもつながります。言動もしっかりとしてきて、優秀な性格へと生まれ変わることができるのです。

性格的な特徴としての誠実さ

性格的な誠実さとは、以下の3点が挙げられます。

言ったことは必ず行う:軽々しく約束をせず、約束したことは必ず実行する。高い道徳性を持つことができます。

自分に正直でいる:正直には「人を欺かない」という意味と「自分を欺かない」という意味があり、後者は自分に正直であること、自分に責任を持ち、自分の方向を知り、時間を大切にし、自分の道を歩んでいこうとすることです。

他者を尊敬する:誠意と誠実さを持って他者と接する。 世界中のすべての人が尊敬に値する個人であり、すべての生命はかけがえのないものです。

上記の例のように、遅刻した人を待つのは誰にとっても嫌なことですから、時間を守り、他の人に迷惑をかけないようにしなければなりません。

孟子・離婁上篇》「是故誠者,天之道也;思誠者,人之道也。至誠而不動者,未之有也;不誠,未有能動者也」と書かれています。 誠意があって動かない人はいない。誠意がないと動ける人はいない。 つまり正直で、偽善でないことが天の原理であり、正直で、偽善でないことを追求することが、人間としての基本原則なのです。

たしかに正直は人を動かすし、それは尊い美徳ではありますが、現代の功利主義社会では、自分に正直であることを主張する人は、自分の内面や能力を強化しなければならず、おそらくその人が強くなればなるほど、正直が冷酷に踏みにじられることはありません。

つまり、みんなが正直で誠実な態度で人と接すれば、社会はより平和で進歩的なものになるのです。

(翻訳編集:里見雨禾)

王志涵