家庭にあるものでできる5種類の自然治癒(下)

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3. キウイフルーツ

キウイフルーツには、抗菌作用や血管新生作用があります。14年に医学研究雑誌「Journal of Research in Medical Sciences」に発表された予備研究では、神経性の糖尿病性足潰瘍を持つ37人に、キウイフルーツ抽出物を1日2回、21日間投与しました。その結果、コラーゲンと肉芽組織の量が有意に増加することが確認されました。

研究者によると、キウイフルーツの植物抽出物には、タンパク質を溶かす酵素が含まれており、様々な方法で傷の治りを良くすることが分かっているそうです。また、キウイの創傷被覆材を10日間使用すると、生理食塩水の皮膚洗浄剤よりも傷の治りが良いことが分かっています。

4. クルクミン

クルクミンは、スパイスのウコンに含まれる活性化合物で、炎症を抑え、酸化ストレスを防ぎ、薬物代謝の第2相解毒酵素を調節する働きがあります。また、クルクミンには皮膚の再生や創傷治癒を促進する効果が期待されており、16年に医学雑誌「The Laryngoscope」に掲載された動物実験では、外用することで対照群と比較して創傷治癒が促進されることが確認されました。

21年の研究では、ウコンジェルエキスを局所的に塗布すると、創傷治癒が促進されることも示されました。家庭では、新鮮なウコンで作ったペーストを自然な傷の治療薬として使ってみてください。

5. L-アルギニン

L-アルギニンは、主に肉や魚、大豆食品などのタンパク質、ナッツやゴマなどの種実類に豊富に含まれています。単にアルギニンと呼ばれ、体内でタンパク質の生産を助けるために使用されるアミノ酸の一種です。アルギニンは体内で一酸化窒素に変換され、血管を拡張する働きがあり、補給することで体の末端の血流が改善され、成長ホルモンやインスリン様成長因子の分泌を促し、傷の治癒を促すことが分かっています。

また、アルギニンは糖尿病や出血・外傷による骨折や怪我の治癒を改善する可能性があり、14年に医学雑誌「Advances in Wound Care(創傷治療の進歩)」に掲載された研究では、オメガ3脂肪酸を併用することでアルギニンの創傷治癒効果がさらに高まる可能性があることが示されたそうです。

その他の傷の治し方

食事やサプリメントに加え、運動などの健康的な活動、良質な睡眠、ストレスの軽減を行うことで、傷の治りをさらに促進することができます。ポジティブシンキングに基づくストレス軽減プログラムへの参加も有効であり、心身の健康を高めることで身体の治癒力をより促進できることを示唆しています。 

(完)