上司に決して言ってはいけない5つのこと

職場での振る舞いは、地雷原を渡るようなものです。しかし、コミュニケーション能力を磨けば、成功への道は開けるでしょう。

「今日は二日酔いがひどくて仕事に行けない」と、ジーニー・アシモス氏は、以前同僚上司に言ったことを振り返ります。

「彼は職場での人間関係が本当の友情とは異なるということを理解していなかったのです。それをいつも心に留め、私生活をプライベートに保つことが大切だ」と過去にトップレベルのCEOたちと働いた経験を持つアシモス氏は言います。

 

まず、リラックスしすぎないこと

ベイエリアの新興企業Way.comでコンテンツ責任者を務めるアシモス氏は、上司への報告に関しては「実用的でストレートなアプローチが最善」とエポックタイムズに語りました。

「上司がどれほどフレンドリーであっても、彼らがビジネスを経営していることを忘れてはなりません。常にビジネスの利益を最優先に考えて決断を下すのです」

「職場が『家族のような』雰囲気だからといって、それを本物の家族と勘違いしてはいけません。上司との距離感を間違え、解雇されてショックを受ける人を私は何人も見てきました」

ビジネスライクな態度を保つことは、一部の人にとっては簡単かもしれませんが、危機管理コミュニケーションの専門家であり、Goldman McCormick PRの共同創業者であるライアン・マコーミック氏が指摘するように、他の人にとってはそれが挑戦となることもあります。

「新入社員が上司に、自分はどれだけお酒を飲めるかを自慢しているのを耳にしたことがあります」

「その人は長続きしませんでした」

マコーミック氏は、職場に私生活を持ち込んだり、情報を過剰に共有したりしないようアドバイスしています。

「週末に何をしたかを上司に話すべきではありません。友人と遊びに行ったり、何か楽しいことをしたり、家族と過ごしたりしたことは、仕事には無関係で、上司はそれを聞きたくないかもしれません。多くの人が上司を友人と見なしていますが、それはトラブルにつながることがあります」

上司とあまり親しくならないようにしましょう。(10’000 Hours/Getty Images)

 

意見を共有する際にも、マコーミック氏はリーダーや従業員に対して同じアドバイスをしています。

「たとえ似たような意見であっても、政治的または個人的な見解を上司と共有してはいけません」

「それによって、上司があなたを異なる信念を持つチームや部署に配属することをためらうようになり、キャリアアップに影響を与える可能性があります」

マーケティング会社Webrisの最高執行責任者であるコボ氏も、慎重さが重要であると強調しています。

「プロフェッショナルで礼儀正しい態度を保つことがとても大切です。それは、仕事中に不適切な冗談や個人的なジョーク、二重の意味を含む発言を控えることを意味します。たとえ冗談のつもりでも、そうした内容を共有したり広めたりすると、誤解されて不快に思われることがあります」

 

1.「それは私のせいではありません」

バンクーバーにあるMind Meld PRのCEO、ジョナサン・ナーヴェイ氏は、エポックタイムズに対し、自身が「上司に不適切な発言をしたりするなどして、様々な職を転々としてきた経験から、コミュニケーションの専門知識を身につけた」と語りました。

「『それは私のせいではありません』とは決して言わないでください。決して問題を小さく見せたり、自己防衛をしたりしないでください。常に責任を持ち、問題を認識し、積極的に解決策を提案する姿勢を見せてください」

コボ氏は、「ただ不満を表明するのではなく、証拠を持って懸念を伝え、可能性のある解決策を提案することが大切だ」と述べています。この方法は、問題に対する真剣な態度と、それに取り組む意欲を示します。

アシモス氏もこれに賛成しています。

「問題だけを上司に報告するのではなく、解決策を一緒に考えてください。あなたの上司は問題解決能力を持つ人材を求めており、すでに多くの問題を抱えている可能性が高いです。自主的に問題を解決すればするほど、あなたの価値は高まります」

 

2.「私たちはみんな、必要以上に頑張りすぎだと思う」

どのタスクが重要で、どのように取り組むべきかについて皆それぞれの意見を持っています。しかし、否定的な意見は控えめにしておくことが望ましいでしょう。コボ氏は、重要なプロジェクトで残業していたとき、若いジュニア マーケターが上司と一緒に会議室に入ってきたときのことを例に挙げました。

「彼は自信満々で、上司に『みんな、必要以上に頑張りすぎだと思います。流れに身を任せて、ゆっくりやればいい』と提案しました」

「会議室は静まりかえり、針が落ちる音が聞こえるほどでした。当時は締め切り直前で、のんびりしている場合ではありませんでした。もちろん言うまでもなく、上司の機嫌は良くありませんでした」

否定的な意見は心の中に留めておきましょう。(metamorworks / PIXTA)

 

3. 「もし…だったら、辞めます」

職場で成功するには、成熟した態度を示す必要があります。「『もし…だったら、辞めます』と脅して自分の要求を通そうとするのは、しばしば逆効果です」とコボ氏は指摘しています。

「代わりに、キャリアの展望や計画についての建設的な話し合いをする方が、良い結果につながるでしょう」

 

4. 「それは私の仕事ではありません」

「『それは私の仕事ではない』という言葉は禁物だ」とアシモス氏は述べました。「どのような職業でも、成功の鍵は適応力です。職務内容は変わりますし、企業の目標も変わります。自分の仕事範囲に固執していると、長くは務まりません。上司は、会社のニーズに柔軟に応えるチームプレイヤーを求めています」

アシモス氏はさらにこのようにアドバイスしました。

「上司からの質問に答えられない時は、『調査して迅速にご報告します』と答えるようにしましょう。多くの上司はこの正直さと積極的な学習姿勢を評価します」

また、「最善を尽くします」と伝えるのも良いでしょう。

「職場では未経験の業務を任されることもあります。上司が求めているのは、挑戦する姿勢と柔軟性、そして誠実さです」

上司から新しい責任を課されたときにイライラするのではなく、順応性を持ち、挑戦する意欲を示すこと。((Vladimir Vladimirov/Getty Images))

 

5. 「もうすでに知っていると思っていた」

アシモス氏は、問題が発生しても上司を驚かせてはならないとも言及しました。「『もうすでに知っていると思っていました』は控えましょう。コミュニケーションはビジネスでの成功の鍵です。問題が発生したら、すぐに報告し、原因と解決策を調査することが大切です。問題を隠しておくことは、上司の大きなストレスになります」

上司のコミュニケーションスタイルと期待を理解しましょう。

「上司によって好みは異なります。毎日の密なコミュニケーションを好む人もいれば、週に一度のメールでのやり取りを好む人もいます。彼らに合った方法を見つけて、それに合わせることが大切です」

同僚からの情報も役立ちます。「同僚がどのようにしてうまくやっているかを、恐れずに尋ねましょう」とアシモス氏は勧めています。

 

良好なコミュニケーション:双方向の道

口頭や書面でのメッセージがどう受け取られるかを、意識するようにしましょう。「上司の気分を正確に判断できるように、対面でコミュニケーションを取るのが一番だ」とマコーミック氏は述べています。

「大事な内容は、直接会って伝えたり、電話をした後にEメールで確認するのが良いでしょう」

良好で明確なコミュニケーションは健全な職場関係を築く鍵です。(Thomas Barwick/Getty Images)

 

上司と違う場所で働く人にとって、特に、重要なコミュニケーションを書面で残すことは、正確に伝わるようにするための適切な方法です。Eメールやテキストメッセージを送る前には、誤字脱字がないか念入りに確認しましょう。

マコーミック氏はまた、「できる限り簡潔にコミュニケーションを取るように」と助言しています。

コボ氏は、コミュニケーションが双方向であることを強調しました。「話すことだけでなく、聞くことも重要です。これによって、職場での人間関係やパフォーマンス、キャリアの方向性が良くも悪くも変わることがあります」

言葉遣いに気を配ることは、良好な職場関係と成功したキャリアへの第一歩です。

南フロリダを拠点とする受賞歴のあるライター