歴史の著名人 輪廻と神を信じたパットン将軍

2016/01/07 07:00

 第二次世界大戦で注目された人物の一人に、アメリカ陸軍将校ジョージ・スミス・パットン・ジュニア(George Smith Patton Jr. 1885年11月11日~1945年12月21日)がいる。彼は戦闘経験の無かった米軍第3軍団をわずか5カ月で勇猛な精鋭部隊に育成し、1944年8月1日から1945年5月9日までの281日間、ヨーロッパの戦場で一日も休まず戦い続けた。そして21万平方キロの領土、1万2千余りの都市と町を敵軍から奪還。自身が率いる兵士の7倍に相当する181万人のドイツ将兵を殲滅、捕虜とした。

 このように勇猛無敵だったパットン将軍は、自分は前世の幾つかで軍人であったと主張する等、輪廻転生を深く信じていた。神に対しても敬虔で、勝利は自分たちの戦闘能力によるものではなく、神の加護によってもたらされていると考えていた。

輪廻転生の勇士

 1942年、第二次世界大戦におけるパットン将軍の最初の任務は、北アフリカのチュニジアを侵攻している独軍の阻止だった。戦場へ視察に出掛けたパットン将軍は突然ある場所で立ち止まり、二千年前の戦争について語り始める。「まさにここが戦場であった。カルタゴはローマ軍に数年間包囲されて戦闘能力を失い、城を守ることができなくなってしまった。カルタゴの全住民が殺戮され、死体は強い日差しに晒された。二千年前、私はここにいたのだ」と。そして、同伴の将校と運転手に「私が言ったことを信じるか?」と尋ねたが、二人は茫然として言葉を発することができず、ただ、初めて北アフリカを訪れたはずのパットン将軍が何故二千年前の古戦場を知っているのか、不思議に思うだけであった。

 輪廻転生を深く信じていた将軍は、普段から輪廻転生に関する話をよくしていた。彼の甥が「本当に心から輪廻転生を信じているのですか?」と尋ねると、将軍からは次のような答えが返ってきた。「私はかつて沢山の場所を訪れたが、それは今生のことではない」。さらに彼は、甥にある経験を語った。それは任務のために初めてフランスを訪れた時のことで、当時、親切なフランスの士官が彼を連れて町の様子を見て回ろうとした。この申し出に対してパットン将軍は、「その必要は無い。私はこのあたりをよく知っている」と断った。士官はもちろん信じなかったが、将軍は士官を連れ、道に迷うことなく町の名所旧跡を隅々まで見て回ったという。

 1944年、第3軍団を率いてフランスに入った際には「ガラスを通して覗いた昔」という詩を書き、その中に自分の前世を記している。その詩によると、パットン将軍は二千年前のカルタゴの戦士以外にローマ帝国時期のカエサル軍の戦士、ナポレオンの陸軍元帥、英仏百年戦争のフランスの騎士、紀元前332年頃のペルシア人とギリシア人が戦った際のギリシア人勇士などに転生したことがあるという。また、この詩の中で自らの想いも語っている。「この星の上、壮大で苦難に満ちた無数の戦争の中、私は奮戦して壊滅し、生々世々に魔難を経験した。ガラスを通して覗いた昔、私は乱世で奮戦し、様々な形象、様々な名前を持っていたが、それらはすべて私である。生々世々にわたる奮戦の目的は分からないが、神の意図は人々の紛争目的より高いと知っている。私は神の意志に従って戦うのみである」

神に祈りを捧げる

 1944年の晩秋、同盟軍はドイツに進軍し、第3軍団は12月初頭にドイツのメッツを占領した。パットン将軍は引き続き東へ進軍してベルリンへ到達するつもりだったが、天候が崩れて連日雨となり、進軍速度が大幅に落ちてしまった。

 この状態から脱するため、パットン将軍は軍内の牧師に祈祷文を作らせ、全軍25万の兵士に配って祈祷するよう命じた。その祈祷文には次のように書かれている。「万能かつ慈悲なる天上の父よ、我々は心から祈ります。悪天候を回復させ、我々が戦うに足る好天を賜りますようお願い申し上げます。ご慈悲と憐憫の心で我々軍人の願いをお聞きください。絶えず勝利を収め、邪悪な敵を粉砕できるよう、あなたの神力で我々を助けてください。我々はこの世の中で、あなたのために正義を広めます」

 さらにパットン将軍は牧師に次のように話した。「私は祈祷の力を信じている。重大な軍事行動には綿密な計画が必要であり、よく訓練された部隊の執行力も重要だ。しかし本当の意味で成功と失敗を決定するのは、神の助けが得られるかどうかである。それを運と称する人もいるが、私は神の助けであると信じている。だからこそ、我々は祈祷する必要があるのだ。困難に遭遇した際は尚更である。これまで神は、我々第3軍団を加護してくださった。我々は敗退はおろか、食糧不足や疫病の流行に悩まされたことも無い。祖国の人々が我々のために祈っているからである。優秀な戦士には思考力と行動力が必要不可欠だが、そのうえに一層深いものを持たねばならない。それは勇気だ。勇気というものは、個人の認識より高い力や真理の存在に対する固い信念から生じるものであり、私にとっての固い信念とは、神や宗教に対するそれなのだ」

 兵士たちの祈りが通じたのかその後数日間は晴天となり、パットン将軍率いる第3軍団は迅速に進軍して大きな勝利を収めた。この出来事は現在の軍事歴史研究家たちからも「奇跡」だと言われている。

(翻訳編集・恵明)

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