教育

問題児クラスをまとめた新米小学校教師 子どもに響いた「心のレッスン」とは

2017/06/07 07:00

 初夏の暑さを感じさせる6月。春に新生活をスタートさせた新入生たちは、新しい環境に慣れてきたころだ。育った環境の異なる友人や仲間と触れ合うことは、「自分らしさ」を認識する良い機会でもある。いっぽうで、どのようにふるまっていくべきか、何が良いことで悪いことなのか、判断の基準が問われることも多くなる。

 神奈川県のある小学校に務める、教師歴3年の小学校教員・谷河園美さん(25歳、仮名)から話を聞いた。彼女は「誠実」「慈悲」「忍耐」で心を鍛錬し、自らを修めるという気功法を学んでいる。彼女は、教師というものは、子供たちに「為人(人となり、人はどんなふうになるべきか)」を示す機会が多いと語る。

「為人」を子どもに示す教師

 谷河園美さん(25歳、仮名)は神奈川県内の大学の教育学部を卒業後、小学校の教師になった。すぐに3年生の一クラスの担当に就いたが、どのように取りまとめていけばいいのか、最初は戸惑うことも多かったという。彼女は少しずつ、他の先輩教師の教室の様子を見て学ぶことにした。すると、教師の態度に応じて子どもの態度が変わっていくことに気づいた。

(ajari)

 例えば、教師歴数十年のある男性教師のクラスの場合。先生が大声で子どもたちに命じ、少しの体罰を加えたりして、高圧的に子供たちをコントロールしていた。しかし、先生のいない時には、子供たちは騒いだり走り回ったりして、クラスは無秩序な状態だった。「恐怖」は一時的な統制はできるものの、子どもたちが自発的にまとまろうとする心は育たないということを感じとった。いっぽう、あまり注意をしない、小さな声の女性教師のクラスでは、子供たちがルーズになり、授業中でもおしゃべりを絶やさないようなケースがあった。

 自分はどんなクラスを作っていけるのか。そもそも、子供たちになってほしい人間像は? 自問自答していたある日、親戚から、心身修練の気功法「法輪大法」を教わった。指導書の転法輪には「どんな人間になるのが一番いいのか」「良い人になるとはどういうことか」が書いてある本だと、園美さんは感じた。

「良い人」って何?

 園美さんは、クラスの子どもたちと接するにあたり、自らの人生を振り返ることを始めた。「自分は優等生タイプだったが、評価されることを求めていた。本心から良いことをしていたのではなく、評価されるために良いことをしてきた。表面的にまじめに見えていただけだった」 

 「良い人って何?」と大人に問いかける子どもに答えるにはどうすればよいのか。教師になって、はじめて自分に向き合い、心の修養が必要だと感じた。「純粋な子どもたちは人の心を見ている。表面的な言動で『良い人』を示すことはできない。教師だからと言って、偉ぶったりしない、子供たちと心から通じ合える人間でありたい」

小学校の下駄箱(sodai gomi)

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