中国共産党による臓器収奪の問題をめぐり、世界各国で対応を求める意見や加担者の責任を追及する声が広がっている。「世界人権デー(12月10日)」に重なり、15日までに、主要7か国(G7)および関係各国に対して具体的行動を求める請願書に、世界で50万人を超える署名が集まったことが分かった。
この請願は、医師団体「強制臓器摘出に反対する医師団(DAFOH)」と「中国での臓器移植濫用停止 国際ネットワーク(ETAC)」が2024年7月に共同で開始したもので、12月15日までに34か国から計50万5970筆の署名が寄せられた。
請願書はG7各国に加え、アルゼンチン、豪州、インド、イスラエル、メキシコ、韓国、台湾の各政府に、中共政権による生体臓器摘出を公に非難する先頭に立つよう呼びかけている。対象となる被害者は、不当に拘束された法輪功学習者やウイグル人、その他の少数民族など「良心の囚人」とされる人々だ。
DAFOHのトルステン・トレイ事務局長は大紀元に対し、「この問題を主権国家に直接訴えることで、強制的な移植医療の乱用を終わらせたいという市民の意思を各国政府に伝えている」と語った。署名活動は今後も継続され、2026年6月までに100万人分の署名獲得を目指すという。
各国議会でも懸念の声が上がっている。11月にブリュッセルで開催された「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」第5回年次サミットでは、中共による臓器収奪を非難する共同声明を採択し、国際基準に基づく法的枠組みの整備の必要性を確認した。
また、今年秋冬には日本や米国、英国、カナダ、豪州、韓国、台湾などで、中共による臓器収奪問題を追及する映画『国家の臓器』が上映され、市民間でも関心が高まっている。10日には参議院議員会館で上映が行われ、国会議員や文化人が来場。北村晴男参院議員は、中共による組織的臓器収奪について「様々な証拠が出ている」と指摘し、「現時点の証拠状況からすれば、有罪と判断する」と語った。
大紀元記者が加担者に直撃取材した経験も
現在、日米欧などで関心が高まっている臓器収奪問題。香港大紀元の記者が過去にも臓器収奪の中心人物とされる人物に直撃取材したことがある。
2010年、香港で第26回国際臓器移植会議で開催された。参加した医師のうち、中国から参加した医師53人が臓器収奪関与の疑いがかけられていた。中には臓器収奪を主導した一人とされる黄潔夫・元中国衛生部副部長も出席した。開催前から国際人権団体の強い批判を受けていた。
黄潔夫は、2010~2015年前後まで中国人体臓器提供・移植委員会の委員長として、臓器移植改革を主導。臓器収奪の主要な加担者として、人権弁護士や専門家から非難されている。国際NGO「法輪功迫害追跡調査国際組織(WTOIFG)」は、黄を臓器収奪の加害者として、責任追及の対象者に認定している。
会議閉幕後、黄潔夫が会場を出た際に、香港大紀元の記者が臓器収奪問題について直撃取材した。
記者が黄潔夫に対し、「あなたが(臓器収奪に加担した)責任追及リストに載せられ、法輪功学習者の臓器摘出に関与した疑いがかけられていますが、この件についてどう答えますか?」「米議会は343号法案を可決し、中共による法輪功学習者の臓器摘出を非難しています。欧州議会も同様です。どうお考えですか?」と問いただした。
記者は現場の警備員に阻止され、黄潔夫は不敵な笑みを浮かべたまま急いで立ち去っていった。
また、香港で肝移植を牽引した「香港の肝移植の父」とされ、臓器収奪に加担したとされる範上達にも、本紙記者が直接取材した。
記者は、「(会議に参加した)53人の医師が国際的な追跡リストに載せられていますが、これについてどう答えますか?(香港・瑪麗病院の)肝移植センターでは、なぜ統計データを公表していないのですか?」と質問すると、範上達も質問に直接答えることはなく、電話をしたまま立ち去って行った。
2014年には、黄潔夫が台湾を訪問した際に大紀元の姉妹メディア・新唐人の取材を受けた。記者から「『良心の囚人』から臓器が摘出しているのですか?」と尋ねらると、黄潔夫は 「何のことを言っているのか分からない。意味が理解できない」と回答を避けた。
記者が 「多くの法輪功学習者が…」と問いかけると、黄は 「そのことは知らない」と答えた。
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