【大紀元日本3月4日】昔、ある家で父親が亡くなった。それからしばらくして、今度は母親も病に倒れた。子供は医者を呼んだが、医者はどうしても病気の原因を突き止めることができなかった。医者は子供に対して出任せに「起死回生の妙薬しか、あなたの母親を助けることができない」と言い残した。
子供は医者の言葉を信じ、市場に出かけた。子供は、「起死回生の妙薬はありますか?」と尋ねながら、町中の店を一軒一軒回った。聞かれた店の人たちは、皆「ないよ」と答え、また言いがかりをつけられたと感じた人は、話も聞かずに子供を追い出した。1日目、子供はがっかりして帰宅した。翌日、子供は別の道を行き、またも一軒一軒店に入り、妙薬があるか尋ねた。しかし、空が暗くなるまで探しても見つけることはできなかった。この日、子供はまたも肩を落として家へ帰った。
3日目、具合がますます悪くなる母親を見て、子供は勇気を振り絞り、再度市場へ出かけた。子供は同じように一軒一軒店を回り、ある旅館に入って尋ねた。ちょうどそこで食事をしていた客が、子供に起死回生の妙薬は何に使うのかと尋ねた。子供は経緯を全部話した。すると、その客はポケットからたくさんの丸薬が入っている箱を取り出し、1粒を子供に渡して「これが起死回生の妙薬だ。母親の病を治してあげなさい」とささやいた。子供は持っていた僅かばかりのお金を客に渡し、妙薬を家へ持ち帰った。
子供は「母さん、起死回生の妙薬を買って来ましたよ。これを飲めば、直ぐに治ります」と嬉しそうに叫んだ。翌日、ある医者が子供の家を訪ね、母親に針灸の治療を行い、煎じた薬を母親に飲ませた。すると母親は、みるみる元気になり、寝床から降りることもできるようになった。親子は感激して跪き、命の恩人である医者に感謝した。医者は、自分ではなく、妙薬をくれた人に感謝すべきだと言い、次の話をした。
起死回生の妙薬をくれた客は、実は朝廷の大臣だった。彼は子供の孝行ぶりに感動し、皇宮の侍医を派遣して、母親の治療を命じた。侍医は大臣が母親に当てた手紙を渡した。手紙には「貴方のお子さんは、母親の病気を治すために、あちこちへ起死回生の妙薬を捜し求めていました。親孝行なお子さんをお持ちで、貴方は本当に運が良いですね。人命を救えるものは起死回生の妙薬ではなく、人と人との愛情であることは、しっかりと覚えておきたいものです」と書かれていた。
(07/03/04 10:10)
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