【文化論エッセイ】家督は、長女が継承した方がいいのではないか?

2007/10/31 01:00
 【大紀元日本10月31日】昨今、国内ではニートの問題がやかましく論じられている。若者が自立できず、学校に行く事もなければ、就職にも付かないというのが「全くもってケシカラン!」というのだ。確かにそうなのかもしれない・・・日本のように資源も何もない国にとっては、「国民一人一人が勤勉に働かなければ、技術立国として立ち行かないのだ」という論旨は、葵の紋所に近い迫力がある。

 しかし・・・明治時代の立身出世と平成の世とでは、根本的に違う風潮がある。それは、戦後に米国からウーマンリブと核家族の考え方が入ってきたことだ。即ち、若い娘や息子の世代は、年老いた父親母親とは同居せずに「立派に独立した所帯」をもつということだ。

 しかしちょっと待てよ・・・世界地図を広げて見てほしい・・・米国の国土面積は、日本の約25倍あるのであって、しかも日本の国土は山がちで、関東平野などはかなりの部分を住宅地にさいているものの、新潟平野などは米どころの穀倉地帯で、食糧安保を考えても大規模な団地は造成できないだろうという現実・・

 食糧安保と言えば・・日本は40%の自給率しかなく、先進国の中ではダントツの最下位だ。即ち、JALを使って世界各地から食料資源を空輸して来ている「フードマイレージ」の高い国なのだ。これは、非常に危険だ・・たとえ米国製の最新鋭艦「イージス」を日本海に浮かべて北のミサイルを防いだとしても、有事の際に国民が食べる食料を自給できない国が生き残れるわけがない・・それは第二次世界大戦で既に証明済みのはずだ・・

 これが日本の場合深刻なのは、農村部の後継者不足に原因があるからだ。農村の若者が、こぞって都会に出て「独立」してしまうために、田舎の商店街などは、年寄りだらけの閑古鳥となっており、いかに若者を農村部に呼び戻すかが、日本農業を再生させる優先的なキーとなってしまった。

 では、どこがどう狂ってしまったのだろうか?それは、日本が家族の原初的な形「三世代同居」を捨てて、核家族化を目指したところから始まる。若者の独立は、聞こえはいいが、それは日本の高度成長期はもはや終わり、安定成長に入った昨今、人口も1億3千万人超ともなれば、伊勢のアマテラス様も「・・・もういいのでは?・・・」と首をかしげてはいないだろうか?

 三世代同居のいいところは、農村に若者を慰留させるということ以外、まだいいところもある。それは、同じ居住面積でも、三世代だと一軒で済むし、食事だって大鍋で作れば安上がりだということだ。現に、最も貯蓄の豊かな県は、石川や福井などだが、これらの北陸地方は圧倒的に三世代同居が依然として残っている「古き良き」日本なのだ。これらの三世代家族は、老夫婦が孫の面倒を見るために、昨今の「幼稚園不足」「託児所不足」など無縁だ。若夫婦は、安心して共稼ぎも可能だ。

 また核家族の隠された良くない面がある。それは、自分以外の他人、即ち配偶者と同居する場合に、これともし相性が良くなかったら、家庭内が戦場と化してしまうことだ。これに、職場でリストラでもされたら、完全にアウトだ。それで・・核家族の本家・米国とその忠実な弟子日本は、世界でも有数の自殺大国になってしまった・・・

 では、三世代同居を阻むものは、本当に米国流の核家族理論だけなのだろうか?そうとも言えない・・・まず、昔から問題なのが、「嫁vs姑」の骨肉の争いだ・・しかし、これは姑と他所から来た嫁とが、元々他人だからいけないのであって、初めから親子なら問題はないのだ・・加えて、他家から来た夫が、妻に暴力を振るうのも想像しにくい・・現に、サザエさんちのマスオさんは、「去勢されていないか?」と思うぐらいに大人しい・・・

 世界の人口は、第二次世界大戦前までは、約20億人・・即ち、100年に1億人のユックリとしたペースで増加してきた。そのため、地球環境にも、そう急激な負荷がかからなかった。しかし、第二次世界大戦後に、特に米国のウィルスに対する研究が飛躍的に進んだために、疫病で人類が大量死しなくなり、1年に1億人という急激なペースで人口が増え続け、ついには60億人にまで達した。

 現在、三世代同居のコミュニティーはどこかというと、まずは中央アジアのウズベキスタンあたりでしか徹底して見られなくなった。ウズベク人は、いまだに「一軒家に三世代で住み、庭には柿の木があって、掘りごたつで云々・・」という生活を送っており、自動車や家電製品はないものの、皆が心豊かに暮らしている。そういえば、ブータンなどもそうだ。これに反して極東・・共産圏の中国、北朝鮮はまず無理だし、韓国も核家族化が進んでおり、日本も・・・経済発展という問題はさておいても、何か精神的にギスギスしてはいないだろうか? 

 三世代同居は、日本が人口爆発を起こしている世界情勢に対抗できる「古くて新しい」家族のあり方であり、それは地球の資源を大切にできるエコな生き方だ。それには、長女が家督を相続できるような「税制面の優遇措置」など、行政面での支援があれば望ましい姿になるし、日本人に増えつつある「うつ病」などにも効く、本当の意味での特効薬になるだろう。それは、日本人の精神を復興させ再活性化させる妙薬にもなるにちがいない・・・
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