THE EPOCH TIMES

9・11、米在住中学生の作文 「ツイン・タワー 魔法も直せない」

2009年09月11日 21時32分
 【大紀元日本9月11日】

 【編者注】2001年の9・11事件当日、破壊されたツイン・タワーのすぐ近くの中学校に通っていた少女が日本語で書いた作文です。NYフレンズ・アカデミーの文集「ともだち」に掲載された文章を、本人の了解を得てそのまま転載します。

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文・山崎奈々
(12歳、日本語補習校小学6年、アメリカの中学校1年)


 7時に鳴る時計のアラームががんがん耳元で鳴り、私は、いつもの眠い朝を迎えていたのです。目を半分開いて歯を磨き、顔をあらいました。

 そして家を出て、1,2番の地下鉄に乗って、チェンバー・ストリートで降りました。
 学校に向かって歩き、そして友達と学校の前に立っていました。
 見上げると双子の長いビルが青い空を突き刺していました。
 お日様がビルの窓に反射して私はまぶしさに目を細めました。

 8時20分になると、私のロッカーがある4階にいき、理科の道具を用意していたのです。そして理科教室に入って席に着き、授業が始まったのです。二十分ぐらい後、大きな爆発音がして、学校がすこしゆれたのです。

 急に皆が静かになって、その後皆がざわめきました。
 「今のは何だったの?」の声がクラスのいろんな所から聞こえました。
 私も友達と話しました。とても大きな音だったので先生も戸惑いました。
 そしてちょっと待つと一人の先生が私たちの教室に入ってきて担任の先生の耳元でつぶやきました。

 先生は落ち着いた様子で、でもショックな顔をしながら教室の前に立ってこう言いました。
 「1993年、ツイン・タワーズがどうなったか知っていますか。」
 私はこの先生の顔と声で「もしかして、、」と思いました。先生の真剣な顔を見ると私も真剣になりました。
 先生が「1993年、ツイン・タワーが爆破されましたよね。」

 これで先生はじっとしていられなくなった様でクラスのあちこちを何度も同じところを歩いていました。顔は赤くなり、唇を噛んでいました。こんな先生を見たことがありません。

 私は見ているのがつらくなり私は自分の足を眺めました。この不吉な空気で苦しくなりました。
 私の父は、1993年の時、ツイン・タワーズの上の階にいたのです。
 だから今日、お父さんはいつもの仕事場にいるのかいないのか、もしいるとしたら大丈夫なのかと心配になりました。

 私も混乱してしまい、私の頭の中は真っ白になり、別に悲しいという感情もこわいという感情もなくなったのです。しばらくして校長先生のアナウンスがありました。
 「カフェテリアに行ってください。落ち着いて、静かに、ゆっくりカフェテリアに行ってください。」
 先生がドアの前に立って、みんなに来るように手を振っていました。みんなが集まると階段に向かってゆっくり降りていきました。

 カフェテリアに着くと、先生や生徒の全員がいたのです。私は友達とテーブルに着きました。頭の中は「お父さん・・どこにいるのだろう。」ということでいっぱいでした。
 あたりを見回すと、軍服を着た男の人たちを見つけたのです。
 これを一緒に見た友達が私に、「なにこれ」と聞きました。
 私も軍人をみて、もっとパニックになりました。

 外ではテレビの番組のカメラマンがツイン・タワーズの方に向かって撮影していました。ずっと待っている私たちは、学校を出たらどうなっているかは想像できませんでした。

 その時、私は窓から子供たちを迎えに来た両親が子供の手をにぎって走っているのを見たのです。そして八年生の男の子。そして乳母車を押す女の人。全員後ろを見ながら、恐怖に目を大きくして、必死に走っていました。これを見た私たちは一番はなれているカフェテリアの角に走って集まり、強く手をつないだのです。

 私は二人の友達に抱きついて離れませんでした。そしてラジオを聞いていた友達がなぜみんなが走っているのかの理由を教えてくれました。
 ひとつのタワーがつぶれたのです。
 「もしかしてこのまま死ぬの。」このまま家庭、友達、命を全部失うのか。
 こんな思いは生まれて初めてで私は泣きたくなりました。
 泣いている人、叫んでいる人、なぐさめ合っている人、なんだか頭が混乱してわけがわからなくなりました。私は目をつぶって深呼吸をしました。

 そして校長先生と軍隊の人が大きな声でどなりました。
 「みんなあつまってください。落ち着いてください。」
ツイン・タワーから反対のドアを指していました。またいろんな叫び声や泣き声がいっぱいあがって私はもっとパニックになりました。

 軍隊の男の人がおさえてくれたドアから抜け出し、そのまま走りました。
 一人の友達が腰に巻いていたシャツを私と友達にくれたのです。私たちはそれを顔に押し付けながら走り出しました。学校をでると私はちょっと止まって後ろを向きました。そうすると、黒い煙がもくもくと上がり、さっき青かった空が黒い煙に包まれていました。その時私が見たのは一つしか立っていないツイン・タワー。

 そして思い出したのです。5歳の時、私とお父さんはニュージャージー州のハドソン川沿いを車で走っていました。二つのツイン・タワーが重なって一つに見えたのです。私は、「あれ、ダディーひとつしかないよ。どうしたの」するとお父さんは言いました。

 「見てて、だんだんはしっていくと二つになるよ」そして二つになったツイン・タワーを見たとき、まだ小さかったわたしはどうなったのかわかりませんでした。それでお父さんが、「お父さんマジックで二つにしたんだよ」といったので私は納得したのです。

 今度は誰がマジックで二つにしてくれるの。もしかしてこれは夢。起きたら朝が来るの。私はそのまま走り続けました。
 しばらくすると友達のお父さんが来て、私は一緒について行きました。
 ニュースで二つ目のツイン・タワーがつぶれたと聞いて、私は目をつぶったのです。
 もうタワーは無い。消えた。

 今から考えると、なぜ人ってこういう事をするのだろう。人々が嫌う事を。そして両親をなくす何ヶ月か前にうまれた赤ちゃんたち。これからどの様な人生をおくるのだろうか。亡くなった人たちは死ぬ瞬間なにを考えていたのだろうか。なぜ人を嫌う。
 なぜ人を殺す。質問はいっぱいあるが答えはどこにあるのだろうか。

8:46分-American Airline Flight 11がタワー#1に衝突する。
9:03分-United Airline Flight 175がタワー#2に衝突する。
10:05分-タワ-#2がつぶれる。
10:28分-タワ-#1がつぶれる。

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