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中国では学術論文の売買が氾濫し、その市場規模は10億人民元(約130億円)に達している(ネット写真)

学術論文代筆、昨年130億円市場=中国

 【大紀元日本1月10日】近年、中国では論文のデータねつ造、盗作が問題となっているが、「闇の論文売買」の存在も指摘されている。調査を行っている武漢大学の副教授・沈陽氏によると、2009年の時点で論文売買の市場規模は10億人民元(約130億円)に達している。長江日報が伝えた。

 沈陽氏が率いる調査チームが3年かけて、論文売買及び闇の学術専門誌に関する調査研究を行った。調査結果によると、闇の学術誌を含めて、中国での論文売買の市場は2007年の時点で1・8億元(約23・4億円)。2009年にはその5・5倍の規模に成長し、もはや中国では産業化されていると分析する。

 チームの研究データによると、2008年、中国のすべての学術誌及びシンポジウムで発表された論文数は248万本に対して、毎年、大学教師、大学院生、技術者などおよそ1180万人が論文の提出を求められている上、論文の質は、卒業、昇進、研究プロジェクトの評価に大きく関わっている。論文発表需要数と発表チャンスとの間のギャップが、論文売買及び闇の学術専門誌の存在を生みだす主な原因だという。

 また、論文売買のピーク時期は、大学生が卒業する直前の時期とほぼ一致していることから、論文売買のバイアーの多くは、大学卒業生が多くを占めている、と沈陽氏は分析する。

 同氏は、2007年に発表された学術論文の一部を入手し、盗作探知ソフトで盗作の有無を調査。その結果、72%は全文が盗作で、24%が一部の内容をコピー、盗作がなかったのはわずか4%であることが分かったという。

 また、昨年から盗作探知ソフトが各大学で広く使用され始め、論文盗用によるリスクが高くなったため、論文代筆の需要が急速に上昇、その結果、09年の論文売買額は07年の5倍以上になったという。

 そのほか、闇の学術専門誌に関する調査では、闇の学術誌で論文を発表する者は、主に主要大学の教師や学生。各出版元は、闇の学術誌発行による毎年の利益は、平均7百万元(約1億円)にも昇るという。

 また、海外の論文販売サイトに、毎日、中国の約654個のIPアドレスからアクセスがあり、毎年平均5千人から1万5千人の中国人が英文論文を購入している、と同氏は推測する。事実、最近2年、少なくとも毎年100人以上が質の高い国際学術論文(SCI)を購入したことを発見したという。

 同氏は、論文売買の深刻な問題は、中国学術界にみられるモラルの欠如を反映していると指摘する。

 昨年12月にも、結晶体関連の国際科学誌「アクタ・クリスタログラフィカ」(Acta Crystallographica)が、中国の研究グループによる論文70本にデータねつ造があったとしてその掲載を取り消すという騒ぎがあった。同誌によると、2006年~2008年の間に掲載された論文のほとんどが、一本の数値を改ざんしただけで、新しい論文として発表していることが分かったという。問題の論文を発表したのは、中国の井岡山大学に所属する学者2人で、論文にはその他の共同研究者らが名を連ねている。現在調査が進められており、今後も問題論文が増えていく可能性がある。

(翻訳編集・余靜)


 (10/01/10 08:31)  





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