【紀元曙光】2020年12月10日

10日放送のNHK番組「ルポ 武漢の光と影 パンデミック1年」。
▼タイトル通り、武漢の光と影の場面が、いくつか紹介された。ただ内容は、あまりに浅い。「新型コロナウイルスを完全に封じ込めたと宣伝する当局」「武漢の日常は取り戻されつつある」「情報が知らされず、感染者のいる病院へ別の病気で父親を入院させたが、ウイルス感染で死亡。嘆く息子の姿」「武漢在住で、当局の制限を受けながらも現地の様子を発信し続けた作家・方方氏の言葉」等。
▼方方氏を批判する意図はない。ただ、番組のなかで象徴的に紹介された同氏の言葉「中国人は自由と命を天秤にかけて、命を選んだ」を、NHKはどういう意図で視聴者に流したか。その言葉だけ切り取れば、まるで「中国人が納得のうえで、当局の強制的な措置をのんだ」ようにも聞こえる。
▼10か月前、実際そうであったか。無数の理不尽と暴力があった。壮大な虚偽と宣伝工作によって市民の目を塞ぎ、真実を発信する人を逮捕して消した。中国人が「命を選んだ」どころではない。どれだけ死んだか(殺されたか)知れない真実を隠蔽した上に、今の武漢があり、中国があるのではないか。
▼NHKについての評価は、読者諸氏にお任せする。今更申すまでもないが、仮にも日本の公共放送たる大組織が、中共宣伝部の出先機関であっては困るのだ。
▼米国の大統領選挙が悪魔に丸ごと乗っ取られていた事実を、人類はようやく知った。トランプ大統領の大功績だが、それを今も伝えない日本の既成メディア。それらが今後も存続し得るか、小欄は関知しない。