【夢かなえ】若手教師奮闘記:子は大人の鏡

【大紀元日本12月21日】
けなされて育つと、子どもは人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは乱暴になる 
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる 
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもはみじめな気持ちになる 
子どもを馬鹿にすると、引っ込み思案な子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる 
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは人を愛することを学ぶ 
認めてあげれば、子どもは自分が好きになる 
見つめてあげれば、子どもは頑張り屋になる 
分かち合うことを教えれば、子どもは思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは正直であることの大切さを知る
子どもに公平であれば、子どもは正義感のある子に育つ 
やさしく思いやりを持って育てれば、子どもはやさしい子に育つ 
守ってあげれば、子どもは強い子に育つ 
和気あいあいとした家庭で育てば、子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる

この詩は、『子どもが育つ魔法の言葉(ドロシー・ロー・ノルト著)』に掲載されたもので、2005年2月、皇太子殿下が誕生日の記者会見にて朗読されました。

4月、私は新しいクラスに出会い、まず約束事を決めました。例えば、「廊下を走らない」という決まりを守るよう話すと、子どもたちは毎日忘れずに、廊下を走っている人を見かけたら注意をしたり、報告に来たりします。また、友だちがもめ事を起こしていた時、周りにいた人は仲介に入り、「先生は○○と言っていたよ」という一言で両者は納得します。子どもたちにとって、先生の言うことは絶対で正しいのです。

クラスに、すぐに決まりを破ったり、悪さをしたり、けんかをふっかけたりするトラブルメーカーの優輝君がいます。優輝君はいつも友だちや先生に注意されると、「僕はしていない!」が口癖で、絶対に自分が悪いとは認めず、自分から謝ることはまずありません。周囲の子どもは皆困っていました。私はクラスでことあるごとに、「先生の好きな言葉は『真』です。真実や真心と使われているように、正直で真っ直ぐな心です。ごまかしたり嘘をつかれると皆傷つきますよね、先生だって同じです。いつも本当の事を話す人は、どんな時でも皆に信じてもらえます。」と話し続けてきました。数ヶ月経ったある日、また優輝君の周りでけんかが起きています。私は皆の前で、「優輝君は悪口を言ったの?」と聞きました。これまでの優輝君なら、「僕は言っていない!」と真っ先に出てくるはずです。でも、今回は「うん…」と自分から素直に認めたのです。いつものきっとした鋭い目つきではありませんでした。すかさず前の席にいた友ちゃんが「優輝君、正直に言えた!」と褒めました。すると、優輝君は誰にも言われなくても「悪口を言ってごめんね」と謝ることができました。4月の時の優輝君とは本当に別人のようです。私は驚き、そして嬉しくなり、「えらかったね」と声をかけました。その時、横の方にいた直ちゃんが「先生が前言っていた『真』だね」と言ったのです。子どもは、本当に教師の言ったことをよく覚えています。そして、鏡にしています。

幼児は周りの大人や友だちの言動を模倣し、自分自身に取り入れて成長していくと言われます。小学生は特に、一人の担任と何時間も一緒に過ごすので、教師の影響力が非常に大きいのです。教師や親は子どもの鏡として、自ら手本を示し、善悪を教えるべきです。「職場でいじめ」と報道されているように、子どもたちのいじめをなくすには、まず大人、自分から行動を見直してみませんか。