子どもたちは何を学ばされているのか 映画「大洗脳」の警鐘

2026/01/19
更新: 2026/01/19

現代の教育において、学生たちは実際に何を学んでいるのであろうか。それは知識と人格の涵養なのであろうか。それとも、知らぬ間に刷り込まれていくイデオロギーなのであろうか。カナダの若手監督マイルズ・ヴォシリウス氏によるドキュメンタリー映画「大洗脳(The Great Indoctrination)」は、こうした根源的な問いを観客に投げかける作品である。新唐人テレビはこのほど、ヴォシリウス監督に単独インタビューを行い、彼が自身の成長過程で得た気づきや、次世代の教育の在り方について社会に訴えたい思いを聞いた。

ヴォシリウス監督にとって、ドキュメンタリー映画『大洗脳』は机上の理念から生まれたものではない。むしろ、自らの成長と学びの過程で徐々に形づくられた深い省察の結晶であるという。彼は、もともと真理と人格の探究へと学生を導くはずだった教育が、いつの間にか本来の目的から逸脱してしまったと語っている。

ヴォシリウス氏は「現代の(カナダの)教育システムは、学生に社会主義的な同調意識を植えつける仕組みになっている。教育から神や基本的な道徳を取り除けば、人々は真理や美を求めて学ぶ心を失い、将来の職業のためだけに勉強するようになってしまうのだ」と述べた。こうした教育の変化によって、教室がイデオロギーの戦場と化し、学校が迷走と混乱に陥っていると指摘した。

また、「今の世界を見てほしい。私たちは完全に混乱の中にいる。生徒たちは自分の性別すら確認できず、何が真理なのかも分からない。すべてが『相対的』だと教えられているのだ。道徳的相対主義は致命的である。それは『真理など存在しない』という思想を広めているのだ」と批判した。

こうした環境の中では、教育が根本を失い、子どもの成長の道筋を支える存在が不可欠となる。ヴォシリウス氏は、その責任を担うのは、他でもない親であると強調している。

ヴォシリウス氏は「親として、子どもを守り、愛し、育て、成長を見守る基本的な権利を持っている。それは政府の責任ではない」と考えている

長年にわたり、共産主義的なイデオロギーが教育に浸透する中で、価値観が蝕まれ、若い世代が努力や責任に対して抱く認識までもが歪められてきた。ヴォシリウス氏はこの現象に強い衝撃と怒りを覚えたという。

ヴォシリウス氏は「大学生がこのような(共産主義の)思想を支持していることに衝撃を受けた。それは中国をはじめ世界各地で数億人の命を奪ってきた思想である。これは邪悪なことである。共産主義は階級も貨幣もない社会を築くと主張し、努力は不要で、起業は悪だと教えている。しかし現実には、社会にはより多くの雇用が必要であり、そのためには誰かが仕事を創り出さなければならない。社会主義を受け入れるよりも、起業家になるべきである。社会に雇用を生み出すのだ。これは非常に難しいことであるが、大いに価値がある。今のカナダでは、そのような精神がこれまで以上に求められている」と指摘した。

ドキュメンタリー映画『大洗脳』では、全米学者協会が2020年に発表した報告書を引用し、中共が孔子学院などを通じて北米の教育界に浸透している実態を明らかにしている。また、カナダの情報機関もこれまで幾度となく警告を発してきたという。近年、人々の間では警戒と覚醒の動きが広がりつつある。

ヴォシリウス氏は「目覚める人々が徐々に増えている。Z世代の間では、思想的に保守的な傾向が強まりつつある。彼らはこう言う。『もうポリティカル・コレクトネスにはうんざりだ。私たちをこの危機に追い込んだような理念にももううんざりだ』と。だからこそ、特に教育の現場から共産主義イデオロギーを根絶し、拒絶しなければならない」と話した。

昨年、米国の保守系活動家チャーリー・カーク氏が暗殺されたというニュースは、思想的な対立の現状を極端な形で世界に突きつけた。この事件はヴォシリウス氏の心にも深く刻まれたという。

ヴォシリウス氏も「高校生のころ、チャーリー・カーク氏は私に大きな影響を与え、何百万人もの若者を啓発した」と述べた。

「私は、人々に気づいてほしいのだ。学校ではいま、真理のための闘いが繰り広げられている。カーク氏は、その転換点を見出し、学校を支配しようとするイデオロギーと戦うことを生涯の使命とした。いま、チャーリー・カーク氏のように『もう十分だ。私たちの学校を取り戻そう!』と勇敢に立ち上がる人がこれまでになく求められている。私たちは、学校を伝統に引き戻し、真理と美を追求する道へ導かなければならない」と呼びかけた。

ドキュメンタリー映画『大洗脳』は、単に問題を暴くにとどまらず、教育の本質とは何か、次の世代をいかなる方向へ導いていくべきかを、私たち一人ひとりに問いかける作品である。